不動産所得がある家族を専従者とすることができるか?
サラリーマンをしながら不動産投資をしています。
個人でアパート2棟(16室)所有し、事業的規模になっています。
妻は専業主婦ですが、妻自身も少し不動産投資をしています。
(私の不動産の共有者ではありません)
妻を私の専従者として青色事業専従者給与を払って経費にすることができますか?
同一生計親族に対して給与を支払っても、経費にできないのが原則です。
例外として青色事業専従者に対して支払う給与は、経費にできます。
青色事業専従者給与の要件として、
「その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には従事可能期間の2分の1超)、事業に専ら従事していること」があります。
しかし、その職業に従事する時間が短いもの、その他事業に専ら従事することが妨げられないと認められる者は除かれます。
『例外として除かれる場合は、他の職業に従事する期間が短く、その事業に専ら従事することが妨げられないことが一見して明らかであるかどうか、実質的にその事業に専ら従事することが妨げられないと認められるかどうかによって判断する』
としています。
事業に専ら従事することが妨げられないと認められるかどうかは、専従者がどのくらいの規模で不動産賃貸をやっているかに影響するかと思います。
(1)専従者が事業的規模(5棟10室以上)で賃貸している場合
専従者が事業としての職業を持っていると判断される可能性が高く、専従者とすることは難しいと考えます。
業務量が少ないとして、専従者として認められなくはないですが、自らの事業的規模を否定することになり、65万円控除などの特典が受けられなくなる可能性があります。
(2)専従者が事業的規模未満で賃貸している場合
専従者が事業として職業も持っていないため、専従者にできる可能性があります。
しかし、従事していること妨げられていないことを証明する必要があります。
専従者として働いている時間や業務内容を記した方がよいでしょう。
しかし、専従者として認められたとしても
「支払われた金額が労務の対価として相当であること」が要件であるため、
支給金額によっては、労働と給与が見合っていないと否認される可能性があるため、注意をしてください。
2023/05/19
手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?
回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士