インボイス制度。免税事業者のままでも値下げリスクがある?
令和5年から始まるインボイス制度についてお聞きします。
アパートに併設している駐車場があるのですが、消費税を取っていません。
それであれば、インボイス登録せずに免税事業者のままでも影響ないと理解しています。
そのまま何もしなくてよいのでしょうか?
気をつけないと、免税事業者でも値下げリスクがあります。
現在、駐車場について消費税を取っていないということですが、契約書にどのように記載されているのでしょうか?
例えば、『駐車場代 月1万円』と記載されている場合には、1万円が本体価格なのか、税込金額なのかが不明確になります。
インボイスが導入前の現在は、免税事業者からの仕入でも仕入税額控除が可能になっています。
したがって、払う側の処理とすれば、税込10,000円(うち消費税909円)と認識して経理を行います。
インボイス導入後は、免税事業者からの仕入は、仕入税額控除ができなくなるため、消費税分909円を値下げするように要求される可能性があります。
つまり、貸主として消費税を取っていないと認識していても借主とすれば、消費税が含まれていると認識をしているのです。
端数がない1万円という金額で請求していても税抜価格とは認識してくれないのです。
これを防ぐためには、インボイス制度が始まる前に1万円が本体価格であり、消費税をとっていないことを契約書などで明記しておく必要があります。
10,000円(税込。ただし、11,000円のうち消費税分1,000円を値引きした金額)
インボイス導入後に、トラブルにならないように事前に準備しておくべきと考えます。
2023/02/17
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士