30万円未満の少額減価償却資産の特例と10万円未満の違いはある?
令和6年3月31日まで延長、30万円未満の減価償却資産は、全額損金算入(即時償却)できるとの記事がありました。
「全額損金算入」とは、10万円未満の「全額損金算入」と同じ扱いと解釈してよいのでしょうか。
少額償却資産の特例(30万円未満の減価償却資産を全額経費にできる特例)は、10万円未満の減価償却資産と同様に、経費にできる効果があります。
経費計上は同じですが、税金上や手続き上異なる部分がありますのでご注意ください。
上限金額がある
総額300万円までが上限(事業期間が12ヶ月ない場合には按分した金額)
⇒10万円未満は上限なし
申告書へ記載要件がある
確定申告書に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書の添付がある場合に限り適用されます。
個人の場合には、明細書の添付に代えて青色決算書に一定の記載をすればよいとされています。
法人の場合には、明細書の添付に代えて減価償却資産の償却額の計算に関する明細書
(別表)を添付すればよいとされています。
いずれにしても申告書に適用を示す表示が必要です。
⇒10万円未満は、手続きが不要
償却資産税の対象
少額減価償却資産の特例を適用した償却資産は、固定資産税(償却資産税)の申告の対象になります。
少額減価償却資産の特例は国税に関する制度ですので、地方税である償却資産税(固定資産税)では適用になりません。
⇒10万円未満は、償却資産税の申告対象外
このような違いがありますので、適用するかどうか判断が必要です。
2023/01/20
人口動向・賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは?無料解説書籍はこちら
回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士