不動産投資コラム

不動産鑑定士が活用!不動産調査お役立ちサイト

不動産鑑定士堀田 直紀
不動産鑑定士が活用!不動産調査お役立ちサイト

不動産を購入する場合には、実にさまざまなことを調査しなければなりません。
その不動産の地価はどのくらいなのか、公法上の規制や地域の災害リスクはどうなっているのかなど多岐にわたります。

そこで今回は、不動産調査において、私がよく利用しているウェブサイトを紹介したいと思います。

【1分で分かる!新築一棟投資の魅力とは?】東京圏・駅徒歩10分圏内の物件紹介はこちら

地価に関するサイト

相続税路線価図

国税庁ホームページ 財産評価基準書「路線価図・評価倍率表」

調査している不動産の地価がどのくらいなのかという時、まず検索するのが相続税路線価図ではないでしょうか。
土地の価格は面する道路によって、その価値が決まってくるという考え方です。
この路線価は、道路(路線)に面する宅地 1㎡あたりの評価額をいいます。 
 
なぜ、課税をするための基礎となる路線価が、地価を把握するために役に立つのでしょうか。
それは、相続税路線価が、売買価格の指標になっている地価公示や地価調査による価格の8割程度を目処に定められているという点です。

実際の土地については、形や間口・奥行きなどの条件のちがいで価値が変わってきますので、この路線価図ではおよその地価について知ることが目的になります。
 
この国税庁のサイトでは、最新の分を含めて、7年分の路線価図を閲覧することができますので、さかのぼってご覧になりたい方には便利だと思います。

路線価については以前のコラムで詳しく書いていますのでよろしければご参照ください。

東京都の地価

公益社団法人 東京都不動産鑑定士協会 
東京都の地価(地図上に地価公示、地価調査、路線価を表示、全国検索可)

こちらのサイトでは、地価公示の標準地や地価調査の基準地が地図上にプロットされています。調査している物件の近くに、比較できる公的なポイントがないかなど一目で分かります。

地図上の標準地や基準地のマークをクリックすると、地価の推移もグラフで表示されますので、その地域の地価動向を知る参考になると思います。

ちなみに、ウェブサイト名が「東京都の地価」となっていますが、全国どこの地点についても調べることができますので、地域を問わず利用していただけます。

東京都地価

全国地価マップ

一般財団法人 資産評価システム研究センター

こちらでは、国や地方公共団体が一般に公開している宅地の価格に関して、一般財団法人 資産評価システム研究センターが収集した情報を公開しているものです。
ここでは固定資産税の路線価、相続税の路線価、地価公示及び地価調査等を検索できます。
物件の位置を一回特定すれば、まとめて調査できるのでとても便利です。

ただし注意点としては、情報の更新や修正にはタイムラグがありますので、時期によっては、公表元のサイトで直接調べる必要があるということです。

全国地価マップ

公法上の規制に関するサイト

都市計画情報等

東京都 都市整備局「都市計画情報」

公法上の規制の中で、まず調べなければならないものに都市計画法があります。
こちらのサイトでは、都市計画法の用途地域や建ぺい率および容積率、地区計画などを調べることができます。
 
どのような公法上の規制がインターネット上で調査できるか、その充実度は自治体によってさまざまです。地図上で物件の位置をクリックすると、規制内容が一覧でざっと表示されるシステムもあります。
都市部の自治体では、宅地造成等規制法の規制区域や建築基準法の道路種別、立地適正化計画として策定する都市機能誘導区域・居住誘導区域の別なども同時に調べられたりするのもあり、利便性の高いサイトが徐々に増えてきました。
 
ここでは東京都のリンク先を載せましたが、検索エンジンで、「物件の市町村名」「都市計画」「用途地域」などで調べると、目的のサイトにたどりつけるかと思います。

自治体によっては、都市計画図のPDFだけがホームページ上で公開されている場合があります。利用者の少ない地域では、都市計画図すら公開されていないこともありますので、その場合には、窓口に出向くか、電話やFAXで確認する必要があります。

都市計画情報

埋蔵文化財の包蔵地

東京都 教育委員会「東京都遺跡地図情報インターネット提供サービス」

周知の埋蔵文化財包蔵地というのは、埋蔵文化財を包蔵する土地として周知されている土地をいいます(文化財保護法第93条第1項)。

埋蔵文化財包蔵地を土木工事等の目的で発掘しようとする場合、発掘着手日の60日前までに文化庁長官に届出をしなければなりませんし、埋蔵文化財の保護上、特に必要があるときには、発掘調査など必要な事項を指示されることもあります。
このようなケースでは、予定する工事の延期や予想外の調査費用などが発生することも考えられますので、事前に調査しておく必要があります。

災害リスクに関するサイト

物件の所在する地域では、どのような自然災害が発生する可能性が高いのかを、不動産を購入する前に知っておくことが重要です。
また、物件を購入したら、建物に損害保険(火災・地震・水災など)を付保する方が多いと思いますが、どの範囲までカバーしたら良いかの判断材料になるかと思います。

洪水、土砂災害等

国土交通省 国土地理院「ハザードマップポータルサイト ~身のまわりの災害リスクを調べる~」

このサイト内の「重ねるハザードマップ」では、自然災害についてのそれぞれのレイヤーを自由に重ねて表示できるので、とても機能的で使いやすいです。
洪水・土砂災害・高潮・津波のリスク情報、道路防災情報、土地の特徴・成り立ちを地図や写真で知ることができます。

ハザードマップ

液状化

東京都都市整備局「東京都 建物における液状化対策ポータルサイト」

土地の液状化の発生の可能性や、過去に調査した地点におけるボーリング結果なども見ることができます。
臨海部だけでなく内陸部においても液状化が発生する可能性がありますので、一度チェックしておくと良いかもしれません。

浸水

国土交通省「地点別浸水シミュレーション検索システム」(浸水ナビ)

近くに河川がある場合、浸水リスクは気にしたいところです。
どの河川のどこの地点が決壊(破堤)したら、浸水してしまうのかがシミュレーションされています。

活断層

国土交通省 国土地理院 活断層図(都市圏活断層図)について

平成7年に発生した阪神・淡路大震災後、地震災害を引き起こす活断層についての情報を整備して公開する必要性が高まったため公開されています。
調べたい場所が、活断層上にあるかまでは正確に分かりませんが、どの辺に断層が存在しているかは知っておいて損はないかと思います。

その他

過去の空中写真

国土地理院ウェブサイト:地図・空中写真・地理調査「地図・空中写真閲覧サービス」

国土地理院が整備した地図や空中写真、公共測量で整備された地図を検索して閲覧することができます。
年代順に空中写真を調べることができ、どのように町が開発されていったかなどを知ることができます。
こちらは物件調査という目的でなくても、写真なので眺めていて単純に面白いと思います。

空中写真

今回はいくつかのサイトをご紹介させていただきました。
物件調査もインターネットでますます便利になり、調べられる内容も増えてきました。
試しに一度、アクセスいただければ幸いです。

You Tube動画:「不動産調査 役立つサイト紹介〜地価編〜」はこちら

東京圏人口一極集中さらに加速…不動産投資は、立地で決まる。解説本無料プレゼント

堀田 直紀

不動産鑑定士・宅地建物取引士

堀田 直紀

不動産鑑定士・宅地建物取引士

不動産鑑定士試験合格後、民間最大手の大和不動産鑑定株式会社にて約11年間、収益物件をはじめとした鑑定評価業務に従事。平成29年10月、ミッドポイント不動産鑑定株式会社を設立。

記事一覧