賃借人「住宅確保給付金の書類に捺印が欲しい」どんな給付金?
賃借人から住宅確保給付金の申請書類に大家の捺印が欲しいといわれました。
こういう状況なので協力するつもりですが、どのような給付金なのか知りたいです。
家賃等の一部を補助する制度で、大家さんや管理会社の捺印が必要です。
ただ、捺印する際には事情を聞いておくことをおすすめします。
新型コロナウイルス感染症の影響で収入等が減ったり、仕事を失ったりした人などを対象に家賃の支払いに充てる目的で行っている給付金制度です。
給付される金額はその人の状況や物件によって異なります。
大家さんが捺印した書類を賃借人が役所に提出すると、家賃に充当すべき給付金が最長で3ヵ月間支給されるというものです。
本来給付金というものは本人に対して支給されますが、住宅確保給付金は確実に家賃に充当させるため、本人ではなく大家、つまり家賃振込先口座に役所から直接入金されることになります。
家賃と同額が支給されるとは限らないので、事前にいくら支給されるのか役所に確認した上で、不足する金額を賃借人に別途振り込んでもらう必要があるので注意が必要です。
現状確認をすることが大切
住宅確保給付金を受給するということは、その方の収入が減っていることを意味しています。
業種によっては、給付期間である3ヵ月を経過しても、以前のような収入が確保できない可能性も考えられるでしょう。
となると、給付金の受給だけでは根本的な解決になりません。
放置していると、長期家賃滞納に発展してしまう可能性もあります。
そのため、給付金の申請についてお願いされたら、賃借人の現在の就労状況について細かく確認して、場合によっては退去の方向で検討してもらうといった対応も必要です。
また、入居時と勤務先が変わっていることが発覚するケースもありますので、再度聞いて確認しておきましょう。
2020/06/25
不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは
回答者棚田 健大郎
行政書士・マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・敷金診断士・ファイナンシャルプランナー