不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

銀行融資を受けやすくするためには、どんな決算書を作成すればよい?

法人で初めて賃貸物件を購入しました。

今後、どんどん法人で購入していきたいと思っております。

銀行融資を受けるために、どのように決算書を作成するとよいのでしょうか?

銀行融資を受けるためには、赤字にしないことがあげられます。

まず、銀行融資を受けるために赤字にしないことがあげられます。

しかし、新規物件を購入した年は登記費用不動産取得税などの諸費用が多くかかり、赤字になりやすいです。

登記費用と不動産取得税に限って話をすると、赤字対策として以下の2つの方法が考えられます。

資産計上を選択する

法人の場合、登録免許税、不動産取得税は経費にしてもよいし、資産計上してもよいことになります。(個人の場合、登録免許税、不動産取得税は経費に計上する以外の方法はありません)

選択することができるので、資産計上することで赤字になりにくくなります。

ただし、これらの費用は土地と建物に振り分けて計上するため、土地に振り分けられた分は減価償却がないため、(売却するまで)経費化できなくなります。

特別損失に計上する

赤字でも理由がつく赤字であれば、銀行評価も悪くなりません。

さらに、経常利益(通常の事業で生じる利益)が出ていることが銀行評価にとっては大事になります。

会計というものは、企業ごとに自由な裁量があります。(会計原則に従っていれば、どのような仕訳をしてもよいという意味です)勘定科目やどこに計上するかも、明らかに間違いでない限り自由に決められます。

そこで、登記費用や不動産取得税については特別損失に計上することで、当期利益は赤字でも経常利益を黒字にできる可能性があります。

「新規物件購入費用」などの科目でよいかと思います。

つまり、今期だけ特別に生じた経費であり、来期は発生しないというアピールができることになります。

これは、大規模修繕や災害があった場合の修繕費を特別損失に計上することにも応用できるかと思います。

2020/02/27

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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