生活保護受給者からの入居の申し込みに不安…断った方がよい?
長らく空室で困っていたところ、ようやく入居申し込みが入ったと不動産会社から連絡がありました。
ところが、ファックスで送られてきた入居申込書を見たところ、本人が生活保護受給者とのこと。
早く空室を決めたい気持ちはあるものの、正直なところ家賃を滞納しそうで不安です。
入居は断った方がよいのでしょうか?
本人の健康状態と連帯保証人に問題がなければ契約しても問題ありません。
生活保護というと、無職者というイメージが強いかもしれませんが、実際は仕事をしている人でも生活保護受給者である場合もあります。
そもそも生活保護とは、自らの収入が厚生労働省の定めるところの最低生活費に満たない場合に、その差額を生活保護費として支給する制度のことです。
ですから、単に生活保護受給者といっても生活保護を受けている理由は様々なので、入居審査にあたっては個別の事情を丁寧に確認して判断する必要があります。
入居審査の確認ポイント
ポイント1:本人の健康状態
生活保護を受給している人の中には、病気や障害が原因で働くことができない方がいます。
なかでも、高齢で深刻な病状にあるような方から一人暮らしで入居申込があった場合は必ず家族の方にも事情を聴くようにし、万が一の時には協力を得られるよう意思確認をしておくことが大切です。
ポイント2:連帯保証人
生活保護受給者の方は一般の方よりも収入が少ないことから、家賃滞納のリスクがどうしてもつきまとうため、連帯保証人がひとつのポイントとなります。
親族の方で連帯保証人になってくれる人がいればベストですが、どうしても難しい場合は保証会社利用の検討が必要です。
生活保護受給者でも保証会社の審査が通るケースはありますので、親族の連帯保証人が難しそうであれば試してみましょう。
役所から家賃の直入金が可能
生活保護受給者のなかには、役所から支給された住宅扶助費を別のことに浪費してしまうことがあり、それによって家賃滞納が発生するケースがあります。
そのため、役所から支給される住宅扶助費について本人ではなく、大家もしくは管理会社の口座に役所から直接振り込むよう役所に依頼することで家賃滞納を予防することが可能です。
※詳しくは、管轄の市区町村役場にご確認ください。
ただし、振込期日は役所の住宅扶助支給日に合わせることになるので、役所によっては「当月分を前月末まで」ではなく、当月振込になる可能性がありますので注意しましょう。
2020/01/11
不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは
回答者棚田 健大郎
行政書士・マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・敷金診断士・ファイナンシャルプランナー