不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

期末に一括で払った購読料、すべて今期の経費にすることはできる?

賃貸専門雑誌の定期購読料を期末に1年分を一括で支払った場合、支払った全額を今期の経費に計上することはできますでしょうか?

物の購入であり役務の提供の対価ではないため、当期に対応する部分のみを経費計上することになります。

代金を支払ったが、まだサービス提供などを受けていないものを、前払費用といいます。

この前払費用については、当期に対応する部分のみ経費に計上することが原則です。

前払費用の規定

通達では1年以内の前払費用について、下記の通り規定されています。

「前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。」

継続適用を条件に、全額経費にできることになります。

前払費用の要件

前払費用とは、以下の要件のすべてを満たす必要があります。

(1)一定の契約に従って継続的に提供を受けること、要するに等質等量のサービスがその契約期間中継続的に提供されること。
(2)役務の提供の対価であること。
(3)翌期以降において時の経過に応じて費用化されるものであること。
(4)現実にその対価として支払ったものであること。

具体的には、賃貸料、保険料、借入金利子などが該当します。

雑誌の定期購読料は、物の購入であり、役務の提供の対価ではないため、短期前払費用には該当しないことになります。

よって、当期に対応する部分のみを経費計上することになります。

2019/12/08

東京圏人口一極集中さらに加速…不動産投資は、立地で決まる。解説本無料プレゼント

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

記事一覧