【民泊】戸建住宅で旅館業法営業許可を取得する方法
前回 は旅館業法に基づく営業許可申請の流れについて解説しました。
今回は戸建住宅で旅館業の許可を取る場合の主な実務上の論点を解説していきます。
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戸建住宅における旅館業法営業許可について
2019年6月に改正建築基準法が施行され、小規模な建築物にかかわる規制の合理化が行われました。
これにより、3階建てかつ延べ床面積200㎡未満の戸建住宅等の用途変更が行いやすくなりました。
戸建住宅で旅館業の許可を受ける際の主なハードルです。
出所:「民泊のすべて」
旅館業法
戸建住宅における旅館業の許可申請では、最低客室数の要件がない簡易宿所営業を選択するのが一般的でしたが、2018年6月の改正旅館業法の施行により、旅館・ホテル営業での申請が可能となりました。
旅館・ホテル営業では、原則として宿泊者その他の施設の利用者の出入りを容易に確認することができる位置に玄関帳場(フロント)を設置しなければなりません。
しかし、旅館業法の改正により、ICT機器を活用した本人確認や緊急時の迅速な対応体制の整備など一定要件を満たした場合は、玄関帳場の代替措置が認められるようになりました。
これにより、小規模施設での旅館業許可が取得しやすくなりました。
建築基準法
都市計画法による用途規制がかかる場合は、そもそも旅館業施設の建築が制限されるため、まず都市計画課に照会して施設が所在する地域の用途規制の状況を確認しましょう。
用途変更部分が 200㎡を超える場合は、確認申請手続が必要となります。
また、確認申請の要否に関係なく、建築主は、建築物を建築基準法令の要求に適合させる義務を負います。
そのため、確認申請が不要な場合であっても、建築主は建築士等の専門家に相談のうえ、適法に計画・工事を行う必要があります。
消防法
防火対象物に該当しない一般住宅は、消防法令の制限をほとんど受けませんが、人を宿泊させる旅館業施設は消防法施行令別表第一・5項イの防火対象物となり、自動火災報知設備、誘導灯、消火器といった消防用設備の設置が必要となります。
自動火災報知設備の設置には消防設備士の資格が、誘導灯の設置には電気工事士の資格が必要です(特定小規模施設用自動火災報知設備の場合は資格不要です)。
これら消防用設備の設置にあたっては、必要な有資格者を擁する設備業者に工事を依頼しましょう。
次回は、マンションにおける旅館業許可取得の実務上のポイントを解説します。
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- 第1回:インバウンド需要拡大を背景に広がる民泊・旅館業
- 第2回:旅館業以外も!合法的に認められている民泊6類型
- 第3回:民泊…旅館業・簡易宿所/特区/住宅宿泊事業の違い
- 第4回:不動産賃貸業と民泊ビジネスの違い/民泊のはじめ方
- 第5回:民泊経営で失敗しない!民泊物件の選び方とは?
- 第6回:【民泊】クリアすべき旅館業法・建築基準法・消防法
- 第7回:【民泊】旅館業法に基づく営業許可申請の流れ
第8回:【民泊】戸建住宅で旅館業法営業許可を取得する方法
- 第9回:【民泊】マンションでの旅館業許可取得のポイント