「かぼちゃの馬車」運営 スマートデイズが倒産
女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」の運営などで知られる株式会社スマートデイズは4月9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、その後4月18日、東京地裁に民事再生法の適用申請を棄却され、保全管理命令を受けました。今後破産手続きに移行します。
シェアハウス・サブリース事業の草分け的存在であったスマートデイズは、2001年にシェアハウス事業を目的に創業。
2012年に法人改組され、女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」を中心に据え、ほかにもシングルマザー向けの「シングルマザーハウス」、外国人向けシェアハウス「STEP CLOUD」等を展開。
近年は入居者を対象に人材派遣業にも参入にしていました。
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倒産までの動き
2017年3月期には年売上高約316憶9600万円を計上していたスマートデイズですが、同年10月頃から金融機関との契約状況などの経済環境が大きく変動。
新たな寄宿舎型シェアハウスの新規販売が困難となり、同月27日には不動産オーナーに賃料改定の通知書が送られ、信用不安が拡散していました。
2018年1月には不動産オーナーへサブリース賃料の支払い停止を公表。
3月末に一部のオーナーがスマートデイズやその役員、その他建築会社、販売会社などに総額約2億円の損害賠償を求めた訴訟を東京地裁に起こし、社会問題としても大きな話題になっていました。
帝国データバンクによると、負債総額は2018年3月末時点で60億3500万円。
このうち約23億円が物件オーナー約675名に対する負債となっています。
スマートデイズが民事再生法の適用申請を発表した後に東京都千代田区で開催されたオーナー向け説明会では、出席したオーナーからは怒号が飛び交い紛糾していました。
入居者インフラ確保が困難になる可能性も
スマートデイズ代表取締役赤間健太氏は声明文にて、今後速やかにサブリース賃貸借契約の終了を進め、入居者のインフラの維持が確保されるよう努めると発表していますが、同時に入居者の生活インフラについては寸断される恐れもあると明記しています。
▼ 株式会社スマートデイズが平成30年4月9日に発表した公式声明文(抜粋)
今後も、可及的速やかな、サブリース賃貸借契約の終了及びこれに伴う入居者様の居住物件の管理主体の変更を進め、入居者様の生活インフラの維持が確保されるよう努めて参る所存です。
しかしながら、目下の弊社の資金繰りに鑑みますと、入居者様 居住物件における水道、電気、ガス、インターネットなどの生活インフラの確保が困難となるおそれがございます。
弊社と致しましては、可及的速やかに、弊社以外に入居者様の生活インフラを確保する主体に対し、入居者様 居住物件の管理主体の変更をお願いする次第ですので、大変身勝手なお願いとなりますが、入居者様の生活インフラが寸断される事態が一時的にも生じることがないよう、関係各位の皆様には、格別のご理解を賜れますよう、切にお願い申し上げます。
民事再生手続開始申立てについてのお知らせとお詫び | 株式会社スマートデイズ
* 本記事は4月11日の初稿を4月27日に追記しました。
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