不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

更新時に家賃の値上げを打診するも応じてくれない…どうすればよい?

更新を機会に家賃の値上げを借主に打診しているのですが、なかなか応じてもらえません。

更新期限が過ぎてしまいそうで心配なのですが、値上げは難しいのでしょうか。

一方的に家賃を値上げすることはできません。合意しないまま更新期限を過ぎると、法定更新になる可能性があります。

更新のタイミングで家賃の値上げをしようと考えている貸主の方は多いのではないでしょうか。

ただ、現実的なことをいうとたとえ更新のタイミングだとしても、家賃については双方の合意がなければ変更することができません。

そのため、今回の事例のように借主が値上げに合意しない場合については、現実問題として値上げが難しくなります。

どうしても話し合いで決着がつかない場合は裁判所に調停を申し立てて裁判所に場所を移すしかありません。
調停では調停委員という専門家の方が、貸主、借主の中立的な立場で解決案を一緒に考えて調整を手伝ってくれます。

それでも決着がつかなければ、やむなく裁判を起こすしかないでしょう。

ただ、これらのことにかかる費用や労力を考えた場合、訴えてまで増額請求するメリットがあるかどうか、慎重、かつ冷静に検討する必要があります。

法定更新に注意

合意が取れないまま契約期間が過ぎたとしても、それによって自動的に賃貸借契約が終了するわけではありません。
借主の住まいを保護する観点から、このような場合は「法定更新」といって自動的に契約が更新されます。

この場合、基本的には従前の条件と同一契約で更新となりますが、契約期間については「期間の定めのない契約」になってしまうため注意が必要です。

つまり、更新という概念がなくなり、借主にとって非常に有利な状態となりますので気をつけましょう。

2020/05/06

不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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