不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

法人申込で「入居者入れ替えOKにしてほしい」とのこと。どういう意味?

賃貸募集をしていたところ仲介会社から連絡があり、法人名義で契約をしたいと申し込みが入りました。
法人契約は初めての経験なのですが、法人から入居者入れ替えを可能にしてほしいとの要望が出ているそうです。

いまいち意味が分からないのですが、こちらにとってどんなメリット、デメリットが考えられるのでしょうか?

契約はそのままで入居する従業員を入れ替えたいという意味です。長く入居してくれる可能性がありますが、法人の規模が小さい場合は注意が必要です。

法人契約とは、法人名義で賃貸借契約を結んでその法人の従業員が社宅として住むという契約形態のことをいいます。
ただ、異動や転勤などによって短期間で退去してしまうケースも少なくありません。

通常の賃貸借契約の場合は、居住する入居者を特定してその人以外の入居はできないというルールなのですが、法人契約の場合は人事異動で人が入れ替わることを考慮して「入居者入れ替え可」という特約を賃貸借契約に盛り込むことで、長期的に部屋を借りられるようにするのです。

メリット

入居者の入れ替えができるということは、人事異動で現入居者が退去することになっても、別の従業員が新たに入居して契約が継続できる可能性が高まるので、長期安定した家賃収入が得られることが期待できます。

デメリット

大手法人であれば問題ありませんが、小規模な会社の法人契約については従業員以外の人間が勝手に部屋を使用するような事態が起こる可能性があるため、入居者入れ替えにあたって一定のルールを取り決めることが大切です。

入居者入れ替えのルール

入居者が入れ替わる場合、特段の契約は不要ですが次の点については徹底することをおすすめします。

  • 入居者が入れ替わる場合は、事前に連絡をすること
  • 入れ替わりで入居する人の住民票および従業者証の写しを事前に提出すること
  • 入居者の所属先部署名、連絡先(携帯電話番号)などの情報を事前に通知すること

上記について徹底しておけば、入居者入れ替えによるトラブルは未然に防げるでしょう。

2020/03/16

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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