不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

修繕費が敷金を超えたのに入居者が払ってくれない…どうすれば?

先日、賃借人が退去するとのことで退去立ち合いをしました。

物を引きずったようで、フローリングが大きく損傷していたため、修繕費用を賃借人に負担するよう話をし、その場では了承していました。

ところが、約束の期日を過ぎても修繕費用の振り込みが確認できません。

敷金だけでは不足するため困っています。

どうしたらよいでしょうか?

賃借人が支払いに応じない場合は、連帯保証人に請求する方法があります。

賃借人の故意過失による損傷の修繕費用については、敷金から控除することができますが、今回の事例のように修繕費用が敷金をオーバーするケースが時々あります。

もちろん、敷金からオーバーした金額については賃借人に実費で請求することが可能ですが、実際問題として払うといって払ってこないことは少なくありません。

賃借人が支払いに応じない場合は、次の手段として連帯保証人に請求する方法があります。

連帯保証人というと、家賃を滞納した際に代わりに支払ってもらうというイメージが強いかもしれませんが、連帯保証人が保証しなければならないのは家賃だけではありません。

未払いの家賃はもちろんのこと、更新料や原状回復費用などについても責任を負うこととなるため、賃借人が支払いに応じなければ連帯保証人に請求することも可能です。

フローリングを傷づけたことを、賃借人が認めている証拠が必要

未払い家賃を立て替えてもらう場合とは違い、今回の事例のように敷金精算における費用負担については、賃借人自身がフローリングを傷つけたことを認めているということが、費用を請求する際の大前提となります。

そのため、できれば退去立ち合いをした際に、室内の損傷状況を細かくチェックしたうえで、本人が損傷させた部位を明確にし、本人に署名捺印をもらって証拠として残すことがとても大切です。

特に連帯保証人に請求する場合には、連帯保証人から本当に本人が損傷させたのかどうかについて確認される可能性がありますので、退去時の室内写真などと一緒に保管しておくことをおすすめします。

また、賃借人が家賃保証会社を利用して入居している場合については、原状回復費用についても一定額までの保証がついていることがありますので、保証会社に確認してみるとよいでしょう。

2019/09/30

不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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