不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

個人所有の区分マンションの建物だけを法人に売買できる?

個人で区分マンションを3戸所有し、全て賃貸をしています。
借入がないので、法人化したいと考えています。

区分マンションの建物だけを法人に売却して、個人に地代を払っていくことは可能でしょうか?

区分マンションが敷地権が設定されているかどうかによって結論が異なります。

敷地権とは、土地と建物が一体として登記され、別々に処分(売却など)ができないようになっている権利です。

敷地権付きのマンションであれば、建物だけを法人に売却することは不可能です。
法人化するのであれば、建物と土地をセットで法人に売却する必要があります。

そうすると、売買金額が大きくなったり、登記費用や不動産取得税などの諸費用も多額になる可能性があります。

土地については、収益を生まないため、法人からすると余計なコストになります

また、土地を法人に売買する場合には、簿価での移転はできずに、厳密な時価で売買金額を設定する必要があります。
値上がり益に対して譲渡税がかかるので、大きなコストになってしまいます。

費用対効果を見て、法人化を検討することがよいでしょう。

なお、敷地権は、昭和58年の区分所有法改正によって登場した権利形態であるため、昭和58年より前のマンションの中には、敷地権化されていないマンションもあります。

敷地権がついていないマンションであれば、建物だけを売買することが可能な場合があります。
(昭和58年以前のマンションであっても管理組合によって敷地権が設定されていることがありますのでご注意ください。)

2024/10/25

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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