親族に地代を支払う場合、経費計上はできる?
親の土地に、子供である私名義のマンションを建築しようと考えています。このままでは、マンションの収入が大きくなって、税金が大変になってしまいます。
そこで、親に地代を支払って、それを経費にしようと考えています。
親に支払う地代は経費になりますか?また、支払う金額の上限などはありますか?
個人間での地代の支払いについては、個人間が同一生計親族か、生計別親族かで取り扱いが異なります。
同一生計親族の場合
支払った地代を経費にできないし、もらった方も収入に計上しません(所得税法56条)。
別生計親族の場合
支払った地代を経費にできます。もらった方は収入に計上します。
しかし、個人間の場合、地代のやり取りは慎重に行わなければなりません。場合によっては多額の贈与税が課税される可能性があります。
贈与税が課税される可能性
地代を払う場合に権利金を払うか、相当の地代(更地の相続税評価額の6%)を支払わないと借地権をタダで手に入れたということで、借地権相当額のみなし贈与課税で多額の贈与税が課税される可能性があります。
◯ しばらくタダで借りていたが、賃貸借契約に切り替えて月7万円の地代(近隣相場程度)を支払っていた。
◯ 借地権相当の贈与受けたということで、贈与税課税された。
平成25年1月24日新潟地裁での判例
ここでの判断は、固定資産税額を大きく上回る地代を払っていたことで、使用貸借契約(タダで借りる契約)に近似したものではなく賃貸借契約であるため、借地権が発生すると認定しています。
個人と法人間では、「土地の無償返還に関する届け出」を税務署に提出することで借地権の課税がないようにすることが可能ですが、個人間の場合には、この届け出が提出できないことになっています。
ですから、個人間での地代は、権利金の支払いがない場合は、
(1)タダにする(固定資産税程度の地代の支払いならよい)
(2)相当の地代(更地の相続税評価額×6%)
のいずれかにしなければいけないということです。
中途半端な支払いで、思わぬ課税がされないようにしてください。
2018/12/02
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士