不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

購入時の諸費用全て資産計上してしまった。過去の申告修正するべき?

賃貸アパートを購入して3年目になります。
購入した年の確定申告で、購入時の諸費用をすべて建物価格に加えて減価償却しました。
その後、購入時の登録免許税、不動産取得税は経費にしなければならないことを知りました。
すでに確定申告をした建物分の減価償却費に対して、減価償却費を再計算して、修正申告をしなければならないのでしょうか?

個人の不動産所得については、購入時の諸費用のうち登録免許税、不動産取得税については、必要経費に計上しなければなりません。
(法人の場合は、必要経費か資産計上か選択が可能)

仲介手数料などは資産計上で問題ありません。
(必要経費にはできません)

過去の確定申告を修正した方がよいかということですが、税理士からの立場ですと修正した方がよいという回答になります。

というのも、売却した場合の取得費に影響するためです。

不動産を売却したときに、譲渡所得の計算をします。
譲渡所得 = 売却収入 - (取得費 + 譲渡費用)

取得費は、「購入金額 - 過去の減価償却相当額」になります。

資産計上できない登録免許税や不動産取得税が購入金額に含まれていることで、取得費が多くなってしまいます。

すると譲渡所得が少なくなってしまいますので、譲渡所得の申告の際に税務署に指摘される可能性があります。

したがって、下記の修正が必要と考えます。

購入した年 ⇒ 減額修正(更正の請求)


※必要経費になる分を資産計上しているため、経費が少なく計上されている

購入年以降の年 ⇒ 増額修正(修正申告)

※減価償却が大きくなっているため、経費が多く計上されている

2023/05/26

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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