不動産を「時効取得」したら税金がかかる?
父が30年くらい前に売買によって取得した土地があります。しかし、登記は父名義になされていません。
売り主はすでに亡くなっているので、その相続人を探さなければ、父名義に登記はできないと言われました。
また、固定資産税を支払ってきた事実があるので、時効取得することでの移転登記は可能とも言われました。
時効取得した場合に税金はかかるのでしょうか?
その時効により取得した日の属する年分(時効を援用したとき)の一時所得として所得税の課税対象となります。
土地等の財産を時効の援用により取得した場合には、その時効により取得された土地等の財産の価額(時価)が経済的利益となり、その時効により取得した日の属する年分(時効を援用したとき)の一時所得として所得税の課税対象となります。
一時所得は、次の算式で計算されます。
=「時効取得した土地等の財産の価額(時価)-土地等の財産を時効取得するために
直接要した金額 - 特別控除額(最高50万円)」
この一時所得の金額は1/2に圧縮されて課税されますが、総合課税のため給与等の所得と合算されて、超過累進税率が適用されます。
土地等の時価が高ければ、高い税率で課税される可能性があります。
なお、時効を援用すると占有開始時にさかのぼって所有者であったことになるため、登記原因日は占有を開始した日になります。
しかし、課税は時効を援用した日(年)に、そのときの時価で課税されるため注意が必要です。
2020/10/27
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士