不動産投資コラム

初心者が知っておくべき「不動産管理会社」について

2020/02/16
行政書士棚田 健大郎
初心者が知っておくべき「不動産管理会社」について

資産運用の一つとして不動産投資が注目されています。今では、本業と掛け持ちして大家をしている不動産投資家も増えてきました。
そんななか、不動産投資を成功させるためにより重要となりつつあるのが「管理会社選び」です。
兼業で不動産投資をしている場合は、信頼できる管理会社を見つけて管理を委託できるかどうかがとても重要です。

そこでこの記事では、管理会社のタイプや選び方、費用などについて解説いたします。

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1.管理会社の種類について

不動産を管理してくれる会社のことを一般的に「管理会社」と言います。
ただ、「管理する範囲」が管理会社ごとに微妙に異なるため、まずは管理会社にどんな種類があるのか理解することが大切です。
管理会社は主に次の2種類のうちのどちらかにあてはまります。

1-1.「賃貸管理」

不動産を賃貸することに関連して発生する管理業務のことをいいます。
具体的には、以下のような業務について対応してくれます。

・空室時の賃貸募集
・賃貸借契約の締結
・賃借人からの窓口対応
・退去立会い
・原状回復工事の手配
・敷金精算
・家賃の集金管理

不動産会社によって、提供している賃貸管理のサービスに多少の違いはありますが、おおむね賃貸管理というとこれらの管理範囲をカバーしています。
地元の不動産屋や中小企業の管理会社の多くは、この「賃貸管理」をメインとしている傾向があります。

不動産を他人に貸し出し、家賃収入を得るためにはこれらの業務が不可欠です。
管理会社に委託できれば、サラリーマン大家や新米大家でも安心して本業に打ち込むことができるでしょう。

1-2.「賃貸管理」+「建物管理」

比較的大手の管理会社の場合、賃貸管理に加えて「建物管理」も行っているケースがあります。
賃貸管理のみの場合、管理会社が管理してくれるのは、原則として玄関から内側の「室内」のみです。
そのため、エアコンや給湯器の故障などについては対応してくれますが、建物敷地内の清掃や、集合郵便受け、駐輪場、建物の外壁などの不具合については「建物管理」という扱いになります。
賃貸管理だけでなく、投資物件自体の維持管理も含めてすべて委託したい場合は、建物管理も行ってくれる管理会社を選ぶとよいでしょう。

2.管理会社の選び方

不動産を扱っている会社の多くが賃貸管理業務も行っているため、管理会社の選択肢は非常に多いと言えます。
そこで、多くの選択肢から自分の希望にあった管理会社を選ぶ際にチェックすべきポイントについてご紹介します。

管理会社の場所

できる限り物件の所在地から近い場所にある管理会社の方が、なにかあった時にすぐに現地まで行ってくれます。

管理実績

管理会社の管理実績は、「管理戸数」を見ればおよそ予想ができます。
管理戸数はホームページに記載がある場合もありますが、なければ直接聞いてみましょう。管理戸数が1,000戸以上であれば、比較的実績のある管理会社と考えてよいでしょう。

得意分野

管理会社の中には、「区分マンション」を得意としている会社と、「一棟アパートやマンション」を得意としている会社があります。
ホームページなどで確認できますので、管理会社の適性に合った物件を依頼するとよいでしょう。

3.管理委託の費用について

管理会社に管理を委託する際に忘れてはならないのは「管理料」です。
管理料は管理会社によって設定の仕方が違いますので、管理を委託する際には毎月いくらの管理料がかかるのかよく確認する必要があります。

3-1.管理料の具体例

よくある月額管理料の設定は以下の2通りです。

・集金した家賃の3~5%
・1部屋あたり2,000~4,000円前後で固定

室内面積が広いファミリー物件や貸家などについては、管理料が通常よりも割増になる傾向です。
管理料が安ければ、その分利回りもよくなります。

ただ、安ければ良いというわけでもありません。
管理料が安いということは、そこまで丁寧な管理は期待できません。
一部屋2,000円を下回る管理料では、現地に行く交通費や人件費を考えるとほとんど利益はでません。
ということは、なにかトラブルが発生しても、なかなか現地まで見に行ってもらえない可能性が考えられます。

このように、あまりに安い管理料については、管理の質も低くなるため注意しましょう。

3-2.サブリースの場合について

サブリース契約で管理を委託している場合は、通常の管理委託契約と報酬形態が異なります。
サブリースとは、管理会社が大家から物件を借上げて、それをさらに第三者に転貸(又貸し)するという仕組みです。
大家に支払う家賃(保証家賃)と、第三者からもらう家賃(エンド家賃)の差額が管理会社の利益となります。
一般的にはエンド家賃の85~90%が保証家賃の相場と言われています。
毎月の手取り額は、通常の管理委託契約よりも減りますが、空室時も家賃が保証されるため収入が安定するというメリットがあります。

まとめ

今回のポイントについてまとめてみました。

・管理には大きく分けて「賃貸管理」と「建物管理」の二種類がある
・管理会社を選ぶ際には「管理会社の場所」「管理戸数」「得意分野」をチェックする
・月額管理料は「家賃の3~5%」または1部屋2,000~4,000円前後が相場

管理をどの会社に任せるかは、今後の賃貸経営のパートナーを選ぶのと同じです。
今回ご紹介したポイントをよく理解した上で、候補となる会社から自分の所有している物件に適した管理会社を選びましょう。

不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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