届出民泊の約3割が事業廃止…日本の民泊の行方は?
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観光庁が民泊事業廃止に関するアンケート調査を実施
コロナによる影響で外国からのインバウンド旅行者が激減し、国内においても外出や移動自粛が続き、観光地や都市部の宿泊施設が大きな打撃を受けています。
政府はGOTOトラベル事業により国内の旅行ニーズを支えようとしているものの、冬の寒さが厳しくなるにつれ、コロナウイルス感染拡大の第三波が拡大、深刻化している状況です。
感染拡大に歯止めがかからない状況を踏まえ、政府は12月14日、2020年12月28~2021年1月11日の期間にかかる年末年始の旅行については、全国的にGo Toトラベル事業の適用を停止することとしました。
例年、大きな収益を見込む歳末の需要が消滅し、旅行業界をはじめ、外食産業にも大きな痛手と言えるでしょう。
このようななか、観光庁が民泊についてある調査を実施しました。
それは、「住宅宿泊事業の廃止理由」に関する調査です。
2020年11月10日時点の住宅宿泊事業(民泊)届出件数は2万7,708件となっています。
そのうち、事業廃止件数は7,807件となっており、約28%の施設について廃止がなされていることがわかります。
廃業理由は新型コロナウイルスの影響で「収益が見込めない」が最多
観光庁が事業の廃止理由について調査を行ったところ、廃止の理由で最も多かったのは「収益が見込めないため」の49.1%で、次に、「旅館業または特区民泊へ転用するため」が18.0%、「旅館業や特区民泊以外の他の用途へ転用するため」が 8.3%と続いています。
収益が見込めない理由は、やはり宿泊客の減少が要因であると考えられます。
観光客の減少、出張の抑制などの傾向は今後も半年~数年程度継続すると判断し、事業撤退に至ったものと推測されます。
民泊事業の撤退や廃業は、不動産売買や運営会社のM&A取引(合併・買収)にも大きな影響を与えています。
業界の先行き不透明感や資金繰り問題から売却を急ぐオーナーが増えている一方で、コロナ禍による混乱を商機と捉える悪質業者に騙されることがないよう注意が必要です。
特に面識のない第三者や仲介会社から不動産売買やM&Aの話を持ち掛けられた場合は、先方の条件を鵜呑みにせず、物件の内容や取引を行うに至った経緯をよく精査する必要があります。
購入後の使用方法(宿泊施設として使うのか、住宅や事務所などとして使用するのか)にもよりますが、改めて住宅宿泊事業の届出や旅館業の申請を行い宿泊施設として使用する場合は、物件の状態や建築基準法や消防法上の問題がないか事前に専門家に相談するようにしましょう。
不動産活用は時代の変化への柔軟性が重要
不動産の活用方法は、時代や社会の状況により大きく変化するものです。
日本では以前から少子高齢化による空き家の増加が課題とされてきましたが、airbnbなどのオンライン上のプラットフォーマーの登場により、遊休施設や空き家の利活用の方法として民泊が広がりました。
いま、withコロナの時代で、私たちの生活様式はまた大きな変化に迫られています。
テレワークが急速に広がり、オフィスではない、別の場所で落ち着いて仕事ができる場所を求める人も増えています。
こうした変化のなかで、民泊を宿泊だけではなくコワーキングスペースとしたり、家具付きのマンスリー賃貸にしたりなど、多様な活用ができるよう工夫を凝らすと仕組みも広がっています。
「暮らす」「働く」「旅をする」が融合されていく現代において、既存の枠にとどまることがない民泊の新たな活用方法を模索していくことが望まれます。
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