不動産投資コラム

アメリカ不動産 投資前に知るべき財務関連知識8つ

アメリカ不動産 投資前に知るべき財務関連知識8つ

2019年12月には税制改正大綱が発表され、海外不動産投資に関する日本の税務の見直しも入っていることから、アメリカ不動産をはじめ海外不動産投資は様々な角度で関心度は高まっているかと思います。

しかし興味があっても、英語や海外というだけでハードルが上がってしまう、興味はあるけど何から調べていいのかわからない、税金は難しいからよくわからないという声を多くいただきます。

そこで今回は、アメリカ不動産投資をするにあたって事前に知っておいたほうがいいと思うアメリカ税務・手続きにまつわるお話をしたいと思います。
税務がメインにはなるものの、利回りに直結する話でもありますので、ぜひご一読ください。

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1.アメリカと日本の確定申告について

アメリカに不動産を購入したら、日米両方での確定申告が必要になります。いわゆる所得税の申告です。

アメリカの場合、国(連邦)に対する申告に加え、州の申告が必要になります。
州への申告は物件を購入した州での申告となります。

アメリカは50州あり、州ごとにルールが異なります。
ですので州の申告を求めていない州で不動産を購入した場合は、州の申告は不要になります。

例えば、ネバダ州、テキサス州、ワシントン州、テネシー州で物件を購入された方は連邦のみの申告となります。
一方、ハワイ州、ジョージア州、オハイオ州で物件を購入された方は連邦に加え、所有されている物件の州、市や群での申告が必要になります。

アメリカ 州

アメリカの確定申告を専門家に依頼する場合、州の申告の有無によって報酬が異なる場合もあります。

税務報酬費用によって投資シミュレーションが少し変わってくる可能性もございますので事前の確認をしていただくのがよろしいかと思います。

2.固定資産税と所得税は別物

固定資産税の考え方は日本と同じです。
固定資産税を納付する先は、物件がある場所の州や群に対してであって、上記1.で申し上げた所得税とは別の性質の税金になります。

日本では固定資産税は一括、1~4期ごとに納付などあるように、州によって一括で払う、半期で払う、四半期で払うなどのルールが異なります。

近年アメリカの地価が上がっており固定資産税が毎年値上がりしている印象を受けます。
固定資産税の推移は実はインターネットで簡単に調べることができます。
自分の気になっているエリアの固定資産税の概算、予測がすぐ立てることができるのです。

ここ最近では、不動産管理会社が収支を計算するときに毎月固定資産税積立金を徴収することが多く、したがって固定資産税の納付は基本家賃収入から支払われることが多いです。

3.アメリカの納税者番号が必要

確定申告をする際に、日本で言うマイナンバーと同等の番号がアメリカでも必要になります。

過去にアメリカに居住されていた方はソーシャルセキュリティーナンバーが使えますが、番号がない方は、初めてアメリカで確定申告をする際、同じタイミングでアメリカの納税者番号の申請が必要になります。
Individual Taxation Identification Numberといわれ、頭文字だけ取ってITINと言われております。

アメリカ側でももちろん税金はしっかり管理されているため、不動産管理会社によっては、このITINがないと家賃が投資家様の銀行口座に振込することができないケースもあります。
よって物件を購入したら、すみやかにITINの申請をするべきなのか確認し、するべきであればまず何をするべきかを不動産管理会社、専門家に確認されることをお勧めいたします。

4.経費の管理

経費
アメリカの確定申告は日本と同様、1月~12月分を翌年に申告します。
日本の場合は締め切りが翌年の3月15日ですが、アメリカの場合は、連邦だけの申告の場合は、翌年6月15日州の申告がある場合は翌年4月15日と、どこに物件をもっているかで締め切り日が異なります。

日本の申告では医療費の領収書、経費の領収書などを集計し、確定申告をしますが、アメリカも考え方は一緒です。
所有する物件維持にかかる必要経費があれば、控除の対象になる可能性があります。
ですのできちんと領収書を管理し、何のために使ったかをきちんと記録しておくことが重要です。

5.二重課税はない

日米で確定申告をして、日本とアメリカ両方で税金がかかったら、二重課税にならないのかと心配される方も多いと思います。

アメリカにフォーカスを置くと、家賃収入>経費であれば所得税がかかり、申告書提出締め切り日前までに納付が必要です。

しかしながら、アメリカで納付した税金を日本側で控除できる”外国税額控除”という処理があります。
計算方法は専門家にご確認はいただきたいものの、アメリカで納付した税金分が日本で控除でき、それにより日米の二重課税を防ぐことができるのです。

6.海外送金が思った以上に大変

海外送金
アメリカで物件を購入することが決まり、資金もまとまり、いざアメリカへ送金というタイミングを迎えほっと一安心のところもつかの間、日本からアメリカへまとまった資金を送金をするには思った以上に手続きが煩雑です。
送金をするために金融機関は様々な証憑、書類を求める可能性があります。

購入が決まって送金をする際には、取引される金融機関へ事前に手続の流れ、必要な書類などを確認してから手続きをされるほうがスムーズです。

7.節税目的ではない

昨年12月に発表された税制改正大綱により海外不動産投資に関するルールが変更されます。

詳細はこれから出てて来るものの、アメリカ不動産は日本側の節税をするためのものではなく、今後は「価値のある投資」として見られていくべきものとなっていきます。

単純に日本の節税をしたいだけが投資の理由ではなく、投資をする目的を改めて明確にし、アメリカに投資をしていただきたいなと思っております。

8.出口の見極め

アメリカ不動産に投資をした後の出口戦略はどうお考えでしょうか。
購入されたらそのままで、出口戦略を立ててない場合が多いです。

この記事を読まれている方でアメリカに不動産がある方、どのような出口戦略を立てられているでしょうか。
私が個人的に思う出口戦略のポイントをまとめさせていただきます。

  • 購入価格より高く売れるのか
  • 購入価格より安い値段が付いたとしても、今後の維持費(管理費、税務費用、融資金利等)を考えると費用がますます掛かりそうなので早々に売却をし投資を終了させるのか
  • 一定期間保有をしていき、長期目線で売却のタイミングを狙っていくのか
  • 一定期間保有後、家族や法人など親族間への売却をし運用を任せていくのか

いずれにしても慎重に検討をしていく必要があります。
売却後のドルをまた日本へ戻して為替リスクを取るのか、ドルはドルで運用していくのか、またその運用方法をどうしていくべきかも検討していく必要があります。

まとめ

  • アメリカに不動産を買うと日本だけでなくアメリカでも確定申告が必要。
  • アメリカの確定申告は1月~12月分を申告し、経費をまとめる必要があるなど日本の確定申告と類似している。
  • アメリカ不動産投資はもはや節税ではなく投資としてどう向き合っていくべきか考え、出口戦略を見極めていく必要がある。

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渡邉聡美
渡邉聡美

渡邉 聡美

米国税理士

渡邉 聡美

米国税理士

アメリカへ単身留学、アリゾナ州立大学会計学卒業。ミシガン州にてアメリカ税務を担当。 日本帰国後は監査法人トーマツにて外資証券会社の監査業務に従事。のちにみずほ銀行にて約7年米国事業投資・会計税務コンサルティングを行いワンストップの投資支援を行う。米国進出支援事業、米国事業投資、会計支援事業の経験を活かし、㈱フェニックスデールを立ち上げる。

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