不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

資本的支出に30万円未満の少額減価償却資産の特例を適用できる?

退去にともなって28万円で部屋のリノベーションを行いました。
資産価値が上がっているので経費ではなく、資産に計上する必要があると思います。

この場合、30万円未満の少額減価償却資産の特例を使って、全額経費に計上することは可能でしょうか?

原則は、資本的支出には30万円未満の少額減価償却資産の特例は適用できません。通達に規定があります。

《法人税基本通達67の5-3(抜粋)》

法人が行った資本的支出については、新たに取得したものとされるものであっても、既に有する減価償却資産につき改良、改造等のために行った支出であることから、原則として、少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特》に規定する取得し、事業の用に供した減価償却資産に当たらないのであるが、資本的支出の内容が、
例えば、規模の拡張である場合や単独資産としての機能の付加である場合など、実質的に新たな資産を取得したと認められる場合には、適用することができるものとする。

少額減価償却資産は、通常1単位として取引されるものが対象です。

ですから、床や壁のリノベーションなどは、既に有する減価償却資産の改良や改造に該当するため、少額減価償却資産の対象にはなりません。

しかし、リノベーションの内容に、システムキッチンを交換するなど、単独資産としての機能するものを取得された場合には、その金額について少額減価償却資産を適用できる可能性があります。

リノベーションの内容を細かく検討する必要があります。

2024/03/08

東京に仕事を求めてやってくる単身者増加中…不動産投資は、立地で決まる

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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