不動産売却の節税策あるか?
税今年4月に不動産を売却いたしました。
節税するにはどのような効果的な方法がございますか。
売却されたのが個人という前提で回答します。
(法人の場合には売却益と様々な経費とぶつけることが可能です。)
譲渡所得は分離課税と言って、他の所得(不動産所得や給与所得など)とは別個に計算をして、税率をかけることになっています。
譲渡所得=譲渡収入-(取得費+譲渡費用)
よって、様々な経費とぶつけられる法人と違って、節税策はかなり限られることになります。
次の4つが節税のポイントになります。
特例が適用できないか
賃貸物件の売却の場合、主に適用できる特例は次の2つです。
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①平成21年、平成22年に購入した物件を売却する場合土地の売却益から1,000万円を控除してくれます。
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②10年超保有していた物件を売却し、新たに買い替えする場合
買い替えにより取得した物件の価額により最大80%利益を圧縮(課税の繰り延べ)することができます。
ただし買換え資産が土地の場合には、土地の面積が300㎡以上のもの(青空駐車場などは不可)で、かつ譲渡した土地の面積の5倍以内という要件があります。
取得費に入れられるものあるか
取得費は売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料などですが、建物の取得費は購入代金又は建築代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた金額となります。
賃貸物件の場合にはすでに経費にしている購入時の登記費用や不動産取得税、入退去時のリフォーム費用は取得費になりません。
しかし、賃貸物件ではない不動産(非事業用)の場合には、経費にしていない上記の費用は取得費になります。取得費になるものがないか再度確認してみてください。
譲渡費用に入れられるものあるか
譲渡費用は、譲渡のために直接かかった費用です。
(例)
など。なお、抵当権の抹消費用は譲渡費用になりません。
売却損になる不動産を売却できないか
個人の譲渡税の計算は、給与や不動産収入とは別で計算し(分離課税)不動産所得の赤字とは相殺はできませんが、同じ年に売却した不動産の譲渡益と譲渡損は相殺することができます。
譲渡損が出そうな物件を売却することで、売却益とぶつけることが可能です。
時価で売却するのであれば、同族法人に売却しても構いません。
2022/12/16
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士