栄エリア再開発ラッシュ!名古屋の商業中心地復権へ
近年の超高層ビルの建設ラッシュにより、名古屋の商業中心地は、名駅エリア(名古屋駅周辺)に移ったという印象が強くなっています。
同駅はJR、名鉄、近鉄、地下鉄各線が乗り入れるターミナル駅であり、東海道新幹線の停車駅であるということに加え、将来的にはリニア中央新幹線の開業が予定されているなど、交通利便性の高さが最大の魅力です。
しかし、特に地元の人々にとっては、名古屋の中心はやはり栄エリアであるという認識があります。
南北に走る大津通・久屋大通沿いには、古くから老舗百貨店や有数のブランドショップが建ち並び、東西に走る広小路通・錦通・桜通沿いには、高層事務所ビルや金融機関などが集積してきました。
このような中、栄エリアの発展を支えてきた施設の多くが老朽化し、建て替え時期をむかえています。
最近では、建て替えや再開発の計画が次々と発表されるようになってきました。
さらに、久屋大通公園の再整備事業や錦三丁目の市有地活用事業も具体化してきており、いま、栄エリア一帯が変貌を遂げようとしています。
そこで、今回の記事では、今までに発表されている計画を地図にプロットし、主な計画を以下で説明していきたいと思います。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、竣工・開業予定時期の延期などがありますので、執筆時に公表されている資料に基づいて作成しています。
この記事の最後に、YouTube動画でもわかりやすく解説していますのでぜひご覧ください。
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Park-PFI事業「RAYARD Hisaya-odori Park」
まず、直近の話題として注目されているのは、久屋大通公園に大型商業施設が誕生するというものです。
これは、Park-PFI制度(※)を活用した事例で、事業者は三井不動産です。
全35店舗の飲食・物販店が入る一大プロジェクトで、名古屋市内で初出店のテナントも数多くあります。
南北に広大な面積を有する久屋大通公園ですが、これまで一時的なイベントで使用されることはあっても、有効利用がなされているという印象はあまりありませんでした。
この事業により、市民の憩いの場、情報発信地としての機能を果たすことに期待したいところです。
敷地面積:約54,122㎡
延床面積:約8,062㎡
建物規模:2階建(一部平屋)
開業時期:2020年9月17日
(※)Park-PFI制度:2017年の都市公園法(1956年法律第79号)改正により新たに設けられた、飲食店、売店等の公園利用者の利便の向上に資する公募対象公園施設の設置と、当該施設から生ずる収益を活用して一般の公園利用者が利用できる園路、広場等の特定公園施設の整備・改修等を一体的に行う者を、公募により選定する「公募設置管理制度」のこと。
日本生命栄町ビル跡地
次に竣工時期が近いのは、日本生命栄町ビルの跡地の開発でしょう。
建設地は栄交差点北西角の視認性に優れる一等地になります。
大丸松坂屋百貨店は、ニュースリリースで、新築ビルを賃借(マスターリース)し、テナントを募集して商業施設開発を行うことを発表しています。
敷地面積:約1,084㎡
延床面積:約6,343㎡
建物規模:地下2階地上6階建
開業時期:2020年12月31日(※)
出典:大丸松坂屋百貨店 2018年6月28日ニュースリリース
中日ビル建て替え計画
栄のかつてのシンボルであった中日ビルの建て替え計画です。
現在、解体工事が行われていますが、予定では2024年に大規模な複合商業施設に生まれ変わります。
用途が事務所、ホテル、商業施設、多目的ホール、駐車場などで、延べ面積が10万㎡を超え、高さが約170mという大規模なものになります。
敷地面積:約6,857㎡
延床面積:約116,467㎡(※)
建物規模:地下5階地上33階、塔屋1階建(※)
開業時期:2024年春(※)
錦三丁目25番街区市有地等活用事業
こちらも栄交差点に面する一等地の再開発事業です。
名古屋市では公有地を活用した再開発を進めるため、事業者を募集していましたが、今年に入って、三菱地所(代表構成員)、日本郵政不動産、明治安田生命保険、中日新聞社の事業体に決定しました。
ホテル、イノベーション拠点、オフィス、シアターなどが入る予定で、高さ約200mの超高層ビルとなります。
大丸松坂屋百貨店は、地下2階~地上4階の商業施設ゾーンにて商業専門店事業を展開する予定で、栄エリアでの存在感をますます強めることになりそうです。
高層階には外資系のラグジュアリーホテルの入居が予定されています。
高級ホテルが少ないと言われる名古屋において、客室が増加することは良いニュースだと思われます。
敷地面積:約4,866㎡
延床面積:約99,500㎡
建物規模:地下4階地上36階建
供用開始:2026年
名古屋市ホームページ 錦三丁目25番街区市有地等活用事業の事業候補者決定について
第一生命・ノリタケ・鹿島オフィスビル共同開発
第一生命保険、ノリタケカンパニーリミテド、鹿島建設の三社は、以前から所有し、自社使用あるいはテナントビルとして運用していた土地を、共同で開発することを検討していると発表しました。
用途は事務所ビルで、一部店舗となる予定です。
詳細は未定ですが、事業者が手を組んで栄エリアの活性化に貢献する計画が前向きに進めばうれしい限りです。
敷地面積:約3,400㎡
延床面積:約40,000㎡
建物規模:地上20階(地階あり)
竣工時期:未定
第一生命保険・ノリタケカンパニーリミテド・鹿島建設 連名のニュースリリース
まとめ
上記の通り、主な開発計画を上げてきましたが、ほかにもオリエンタルビル(名古屋三越栄店が入居中)の建て替えの話などが相次いで報道されています。
中には、竣工まで時間が長く、実現性が不透明なものもありますが、栄エリアが今後、大きく変わっていくことは間違いありません。
エリアが一丸で開発されることにより、ますます魅力的で注目される地域になっていくことを期待したいです。
※記事では会社名の法人格は省略しています。
YouTube動画「栄再開発MAP【生まれ変わる栄(vol .3)】」はこちら
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