不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

入居者から「自己負担で最新のエアコンに交換したい」と言われたが問題ない?

先日、入居者から連絡があり、どうしても最新式のエアコンを使いたいとのこと。

現在備え付けられている設備のエアコンは特に故障していなかったため、所有者負担での交換を断ったところ、入居者自身が交換費用全額を負担するので交換したいといわれました。

費用を出してくれるなら問題ないかと考えているのですが、注意することはありますか?

トラブル防止のために、書類ではっきりさせておくことをおすすめします。

エアコンに限らず、室内設備について入居者からの要望と負担によって新品に交換するケースは時々ありますが、交換した設備が誰のものなのかを明確にしておかないと、退去時にトラブルになる可能性があります。

例えば今回のケースで、入居者負担によってエアコンを最新式のものに交換したとして、退去時にどうするかが問題となります。

交換したエアコンが入居者の所有物とするならば、退去する際にエアコンを取り外されてしまうため、オーナー自身が実費でエアコンをつけなければなりません。

もともとエアコンが壊れていなかったことを考えると、なんだか損をしたような感じになるでしょう。

このような問題を回避するためには、交換したエアコンは室内設備としてオーナーの所有に帰属する旨を、合意書などで一筆交わしておくことをおすすめします。

つまり、入居者が最新式のエアコンをオーナーにプレゼントした状態にするのです。

そうすることで、物件の設備として成立するため、故障が発生した場合はオーナーが修理費用を負担し、退去する際にはそのままエアコンを置いていってもらうことになります。

入居者負担で設備を交換すると、交換した設備が自分のものであると主張する入居者がいてトラブルになることが多いので、交換後の設備が誰の所有になるのかについてまで、事前に協議して決めておくことが大切です。

2019/12/14

不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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