新規投資に意欲94%/不動産投資家調査2019
(一財)日本不動産研究所はこのほど、第40回「不動産投資家調査」(2019年4月現在)の調査結果を公表しました。
「不動産投資家調査」は不動産投資に関連のある業者などを対象にアンケート方式で行われている調査です。
調査対象はアセット・マネージャー、アレンジャー、開発業(デベロッパー)、保険会社(生損保)、商業銀行・レンダ―、投資銀行、年金基金、不動産賃貸など198社。うち回答社数は156社です。
期待利回りは横ばいである一方、投資意欲は依然として積極的な姿勢が見られ、新規投資を考えている投資家も多いようです。
(一財)日本不動産研究所 第40回「不動産投資家調査」(2019 年4月現在)
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城南以外はすべて「横ばい」/賃貸住宅一棟の期待利回り
2004年からの東京 城南地区の賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の期待利回り推移▼
前回と比較▼
賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の期待利回りは、東京都の城南地区のみがマイナス0.1ポイントで4.3%に。調査開始以来最も低い水準を更新しました。一方それ以外の都市はすべて横ばいという結果になっています。
オフィスビルの期待利回りは「横ばい」と「低下」が混在
1999年からのAクラスビル(オフィスビル)の期待利回り推移▼
前回と比較▼
東京のAクラスのオフィスビルの期待利回りは、「丸の内・大手町地区」が前回比横ばいの3.5%。このエリアの利回りは2017年10月以来3.5%が続いています。
それ以外の東京のオフィスビルは「虎ノ門」と「西新宿」がマイナス0.1ポイント、それ以外の「丸の内・大手町」「日本橋」「赤坂」「六本木」「港南」「渋谷」「池袋」は横ばいとなっています。
また、主な政令指定都市で変化があったのは「札幌」「仙台」「大阪 梅田」「広島」がマイナス0.1ポイント、それ以外の「横浜」「名古屋」「京都」「大阪 御堂筋」「福岡」は横ばいと、全体的に「横ばい」と「低下」が混在しているものの、大きな変化はないようです。
東京五輪で注目/宿泊特化型ホテルの期待利回り
宿泊特化型ホテルの期待利回り▼
前回と比較▼
東京オリンピック・パラリンピックがいよいよ来年に迫っているなか注目される宿泊特化型ホテルですが、期待利回りは「東京」がマイナス0.1ポイント、そのほかの主な地区は「横ばい」という結果になっています。
投資家は新規投資に積極的な姿勢
2008年からの「今後1年間の不動産投資に対する考え方」調査の動向▼
今後1年間の不動産投資について、「新規投資を積極的に行う」「新規投資を当面、控える」「既存所有物件を売却する」という選択肢のなかで、今回「新規投資を積極的に行う」の回答は94%でした(前回90%)。
期待利回りは「横ばい」「低下」となっている現在も、依然として不動産投資家の新規投資意欲は、積極的であるようです。
「2020年まで現在の状態が続く」という見通しが最多
以下は不動産投資家調査の特別アンケートとして行われた「2019年の不動産投資市場~最近の国際不動産投資の動向~」より、市況見通しについてのアンケート結果です。
いずれのアセットも「現在の状態は、2020年まで続くだろう。」という見通しが最多の回答となっています。
日本の不動産投資 今後のネガティブ要因は
「日本の不動産投資市場を取り巻く、今後のネガティブな要因として考えられるもの」として、最も多かったのは「金利上昇リスク」でした。
日本の不動産投資 今後のポジティブ要因は
「日本の不動産投資市場を取り巻く、今後のポジティブな要因として考えられるもの」として、最も多かったのは「インバウンド投資の加速(海外投資家による日本の不動産投資の加速)」でした。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
期待利回りは「横ばい」が目立ちましたが、来年2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでは現在の状況が続くという見通しが多いなか、投資家の投資意欲は依然として積極的なようです。
投資家の意識や動向などについても、引き続きレポートしていきます。
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