不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

新しい入居者が決まった際の鍵交換はオーナーの義務?

先日新しい入居者が決まったのですが、仲介会社から入居前に鍵を交換してほしいと要望がありました。

もともと鍵交換はしたことがないのですが、入居者からお願いされた場合はどちらが費用を負担するべきなのでしょうか?

鍵の交換は貸主に強制はされていませんが、交換しないとリスクがあります。

今回の事例のように入居者の入れ替わりのタイミングで、鍵交換を希望してくるケースは非常に多いと思います。
20年以上前からアパート経営をしている方のなかには、鍵交換は自己負担だろう、と思う人も多いのではないでしょうか。

ただ、最近では借主のセキュリティに対する意識が高まっていることから、少し傾向が変わってきています。

国交省のガイドラインによると、物件の鍵については管理上の問題なので基本的には貸主が交換費用を負担することが妥当であるとしています。
あくまでガイドラインなので実務的には相談という形になるのが一般的です。

ただ、鍵交換をしないまま明け渡しをすると、前の入居者が自作していた合鍵で留守中に侵入する、といったトラブルが発生することがあるため注意が必要です。

万が一そのようなトラブルが発生すると、貸主側の管理責任を問われる可能性がありますので、リスクを回避するためにも貸主側から率先して鍵を交換してから明け渡した方がよいでしょう。

最近では、暗証番号で開錠できる電子ロック式のスマートキーなども普及してきており、その都度シリンダーを交換しなくても暗証番号の設定を変えるだけでこの問題が解決できます。

自分で交換する際の注意点

鍵交換は業者に依頼することもできますが、経費を削減するために貸主自らホームセンターでシリンダーを購入して交換する人もいると思います。

この際、鍵にはMIWAヤGOALといったメーカーがあり、その中でも複数の種類に区別されているため、現状と違う型のものを買ってしまうと取り付けができない可能性があるため注意が必要です。

そのため、シリンダーを調達する際には事前にシリンダーの型番を控えておき、同じものを購入するようにしましょう。

2020/05/18

人口動向・賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは?無料解説書籍はこちら

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

記事一覧