不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

賃貸中の物件を自分で使用したくなった場合、入居者との賃貸借契約を更新せずに終了できる?

数年前に投資目的で分譲マンションを購入し、今現在賃借人が住んでいて家賃をもらっています。

この度、勤務先がマンションの近くに移転することになったので、自分でそこに住みたいのですが、今の賃貸借契約期間が満了したら更新拒否することは可能なのでしょうか?

「正当事由」がなければ、賃貸人側から契約を終了することはできません。

普通賃貸借契約では、契約期間が2年間となっているケースが一般的ですが、「正当事由」がなければ賃貸人側から更新を拒否して、契約を終了することはできません。

正当事由と聞くと、

・自己使用したい
・家族が使いたい
・部屋をリフォームしたい
・建て直しをしたい

といった理由をイメージするかもしれませんが、残念ながらこれらの事情だけでは、正当事由があるとは認められない可能性が高いです。

そもそも、借地借家法は借主側を保護する法律なので、借主が住まいを奪われることとなる更新拒否については、そう簡単に認められません

賃貸借契約書によっては、契約期間満了の6ヵ月前までに賃借人に通知すれば賃貸人から更新拒否や契約解除ができると規定されていることもありますが、その場合についてもやはり正当事由が認められることが大前提です。

立退料で解決する方法も
何らかの事情でどうしても明渡してほしい場合は、賃借人に立退料を支払うという方法もあります。

住まいを奪われることとなる賃借人に対し、次の物件の契約に必要な費用や引越し代などを立退料として支払うことで、明渡しに応じてもらうのです。

賃借人に十分な立退料を支払うことについては、正当事由を満たすための重要な要素になるので覚えておきましょう。

2019/09/17

人口動向・賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは?無料解説書籍はこちら

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

記事一覧