札幌駅前で再開発 2030冬季五輪招致を見据えて
JR北海道(北海道旅客鉄道株式会社)は「札幌駅交流拠点北5西1・西2地区市街地再開発準備組合」を設立したと発表しました。
北海道新幹線札幌開業や2030年(令和12年)の札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致を見据え、当地区の早期事業化に向けて本格的な検討に取り組み、開発コンセプトである「世界へつながる”さっぽろ”の新たな顔」としてふさわしい開発の実現を目指すとのことです。
▼「札幌駅交流拠点北5西1・西2地区市街地再開発準備組合」構成
理事長:札幌市副市長
副理事長:北海道旅客鉄道(株)取締役副社長
理事:札幌駅総合開発(株)、ジェイ・アール北海道バス(株)、JR北海道ホテルズ(株)
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交通の要衝・札幌駅前での大規模再開発
札幌市ならびに北海道の代表的なターミナル駅・札幌駅は、JR函館本線、千歳線、札沼線、北海道新幹線が乗り入れるほか、地下鉄南北線・東豊線(さっぽろ駅)、バスターミナルなどが近接する交通の要衝です。
また、駅前には主要な商業施設が集中して立ち並びます。
1990年にJR札幌駅の線路が高架化(全面開業)され、それに伴う再開発事業として「アピア」「パセオ」「エスタ」「札幌ステラプレイス」そして「大丸札幌店」とを合わせた、相称「JRタワー」が2003年に開業しました。
その札幌駅前のエリア、「札幌駅交流拠点北5西1・西2地区」という2つのエリアで大型の再開発事業が進められることになります。
札幌駅前再開発 2つの対象区域
位置図▼
札幌市が土地を所有する「北5西1街区」は、現在駐車場および公共駐輪場として利用されています。
この街区は2030年の北海道新幹線札幌開業に伴い、駅施設等が設置されます。
なお、新幹線ホームは高架上に、専用改札口は1階に、在来線乗換改札口が3階に設置される計画となっています。
JR北海道などが土地と建物を所有する「北5西2街区」は商業施設「エスタ」が入居し、1階にはバスターミナルが設置されていますが、バスターミナルは再整備されるとのことです。
JR札幌駅南口開発ビルおよび南口駅前広場と隣接する「北5西2街区」の開発は南口駅前広場からの景観に配慮し、建物の高さは抑える方向で進められます。
一方、「北西1街区」はホテル、オフィスなどを入れ高度利用を図り、2街区間でメリハリのある景観が形成される予定です。
参考:札幌駅交流拠点北5西1・西2地区 再開発基本構想/札幌市
施設計画における当面の主な検討事項
施設計画にあたり様々な決定事項がありますが、当面の検討事項として、「魅力ある都市機能」「高度な交通結節機能」「創成東地区との連携」の3点があげられています。
魅力ある都市機能
魅力ある都市機能として、インバウンド向け情報発信機能、防災機能、アトリウム空間、交通待合の整備などについて検討されます。
交通待合の配置とイメージはこちら▼
高度な交通結節機能
新幹線駅、都心アクセス道路、交通広場、バスターミナル、地下鉄の結節など、さらなる高度な交通結節機能について検討されます。
創成東地区との連携
創成川横断歩行者デッキ、新幹線東改札設置の検討がされます。
竣工・併用開始は10年後の予定/2030冬季五輪を見据えて
今後の予定です。
2020年度下期~2023年度上期:基本設計・実施設計
2022年度:都市計画決定
2023年度:事業認可・再開発組合設立
2023年度:着工
2029年秋:全体竣工・併用開始
今後は22年度中に都市計画が決定し、竣工・併用開始は今から10年後の2029年(令和11年)の予定となっています。
「世界へつながる”さっぽろ”の新たな顔」をコンセプトに、北海道新幹線札幌開業や2030年(令和12年)の札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致を見据えている今回の計画。
インバウンドについても考慮された開発になるとみられますが、2014年度~昨年2018年度までの5年間の、札幌市における外国人宿泊者数の推移を見てみましょう。
外国人宿泊者数は、現在も着実に増加しています。
今回の再開発により、インバウンドの更なる増加も見込めるでしょう。
ちなみに札幌市は人口が自然減少はしているものの、社会増加している市でもあります。
北海道内外、そして国内外から注目が集まる札幌市。
投資目線で見ると、賃貸・民泊・オフィスのいずれの用途においても賃料と地価はあがっていくことが予想されます。
投資先として、今から注目しておくべきかもしれません。
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