相鉄が狙い目?JRおよび東急線直通のメリットとは
鉄道沿線の利便性については、不動産価格に大きな影響をもたらすため、路線変更や新駅設置などの情報は、不動産投資においてとても重要な要素となります。
そんななか、今、不動産投資家が注目すべきは「相鉄線(相模鉄道)」のJR・東急線直通線開通計画である「都心直通プロジェクト」です。
2006年頃からプロジェクトが具体的に動き始め、相鉄線からJR線および東急線への直通線を開通させるべく、新線の建設工事が始まりました。
現在の相鉄線は、都心への直通運行がなく、利便性の部分でほかの直通運行がある私鉄沿線に比べると、不動産投資のうえではあまり注目されてきませんでしたが、都心直通線が開通すれば、大きな変革がもたらされるでしょう。
そこで今回は、相鉄線のJR線、東急線直通線の概要と、もたらされるメリットについて、不動産投資の観点から分析したいと思います。
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相鉄線の都心直通プロジェクトのメリットとは?
相鉄線の「都心直通プロジェクト」には、大きく分けて2つの重要なメリットがあります。
どちらも不動産投資に大きな影響がありますので、詳しく解説します。
都心部へのアクセス時間の短縮
相鉄線は横浜駅から海老名駅を結ぶ相鉄本線と、湘南台駅を結ぶ相鉄いずみ野線がありますが、どちらについても東京都心への直通運行はありません。
そのため、例えば新宿駅に通勤しようとすると、横浜駅からJR湘南新宿ラインもしくは、JR東海道本線と山手線を経由しなければならず、二俣川駅からの場合で約1時間の所要時間を要します。
そこで都心直通プロジェクトでは、横浜駅を経由せずに新駅として羽沢横浜国大駅を建設して、相鉄線西谷駅から連絡線を引き、そこから武蔵小杉駅まで繋げて湘南新宿ラインに乗り入れすることで、新宿駅への直通運転が可能になります。
また、目黒駅についても羽沢横浜国大駅から新横浜、新綱島、日吉と繋げて東急目黒線と直通することを計画しており、開通すれば二俣川駅-目黒駅間が約38分でつながることになります。
これにより、現在の約1時間の所要時間は約44分にまで短縮できると見込まれているのです。
二俣川駅 → 新宿 44分 /横浜乗り換えより約15分短縮
【運行頻度】朝ラッシュ時間帯:4本/時 程度、その他時間帯:2~3本/時 程度
二俣川駅 → 目黒 38分 /横浜乗り換えより約16分短縮
【運行頻度】朝ラッシュ時間帯:10本~14本/時 程度、その他時間帯:4~6本/時 程度
このように、相鉄線沿線から都心部へのアクセスが格段に良くなるため、相鉄線沿線の利便性が高まり、東京の「ベッドタウン」としての魅力が高まることが期待されています。
相鉄線・JR直通線については2019年度下期の開業を予定しているとのことです。
新横浜駅の利便性の向上
相鉄線は横浜駅が終点で、新幹線の発着がある新横浜駅までは横浜地下鉄ブルーラインや、JR横浜線を乗り継がなければならないため、例えば相鉄線大和駅から新横浜駅に行こうとすると、約42分もかかってしまいます。
これは大和駅から横浜駅乗り換え京急本線特快で品川駅まで出るのと、ほとんど変わらない所要時間です。
都心直通プロジェクトでは、羽沢横浜国大駅から新横浜駅経由で東急線日吉駅まで直通になる予定なので、相鉄線から東急線直通で新横浜駅にアクセスして新幹線に乗車することが可能になります。
また、東急線利用者は、これまで菊名駅でJR横浜線に乗り換えて新横浜駅にアクセスする必要がありましたが、これも日吉駅から新横浜駅まで直通になることでかなり便利になるでしょう。
相鉄線・東急直通線については2022年度下期の開業を予定しているとのことです。
相鉄線沿線の物件を買うなら今か
相鉄線の直通線開通によって、相鉄線から東京都内および新幹線乗車の利便性が高まれば、沿線沿いの不動産価格や家賃相場に大きな追い風となることが期待できます。
もともと、相鉄線沿線の地価は、同じ神奈川県内を走っている東急東横線や横浜線、東海道線などに比べると、比較的手頃な価格で投資しやすいことも魅力の1つです。
相鉄線の家賃は、他路線よりも割安
「不動産・住宅情報サイトLIFULL HOME’S」の家賃相場情報によると、直通運行の起点となる相鉄線西谷駅の1R・1Kの家賃相場は5.23万円とのこと。その他、星川駅以下、和田町、上星川、鶴ヶ峰、二俣川いずれの駅についても6万円の相場を超える駅は出てきません。
相鉄線とJRの直通線が開通すると、西谷駅から新宿駅まで直通で約40分です。
仮に、現状新宿駅から約40分の地点にある東横線大倉山駅の家賃相場を参考に見てみると、6.35万円と平均家賃相場が6万円を超えてきます。
駅前の開発状況にもよるため、新宿駅までの所要時間で一概に家賃相場を決めることはできませんが、少なくとも、相鉄線とJR・東急線との直通線が開通すれば、相鉄線の利便性が現在の東急線沿線に匹敵するほど向上するでしょう。
そうなれば家賃相場は見直され、それに伴って売買価格も押し上げられるはずです。
家賃が5,000円上がるとどうなる?
もしも相鉄線とJR・東急線直通線が開通して、相鉄線沿線の家賃相場が5,000円値上がりした場合、不動産投資にどのような影響が出るのでしょうか。
ワンルーム投資の場合、売買価格を決定づけるのは地価ではなく「利回り」です。
仮に、現時点での相鉄線西谷駅の家賃相場5.23万円で計算した場合、年間の総収入はいかのようになります。
5.23万円×12ヶ月=62.76万円
比較的売買が成約に結びつきやすい利回り6%で逆算すると、想定売買相場は1,046万円です。家賃が5,000円値上がりした場合を同じ条件で想定すると、想定売買相場は1,146万円とおよそ100万円上昇する計算になります。
東京都内だとしても、このような上昇の可能性のある地域は都心3区を除いてはほぼないといってよいでしょう。
おわりに
このように、相鉄線がJRや東急線と直通すれば、家賃や売買相場に好影響が出る可能性は高いでしょう。また、仮に相場が思ったほど伸びなかったとしても、賃貸需要については今よりも悪くなる理由はありません。
相鉄線とJRの直通線が開通する2019年には、開通を見越した投資家が動き始める可能性が考えられるため、相鉄線沿線の物件を手頃な価格で仕入れるには、2018年のできる限り早い段階で投資することがポイントになるでしょう。
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