投資物件探しで初心者が陥りやすい意外な落とし穴
不動産投資は、投資物件を購入して始めることになります。
投資物件を購入するにあたっては、不動産会社に依頼して物件を探してもらうことが一般的ではありますが、一方でネットのポータルサイトで探して問い合わせをする個人投資家も増えています。
自分で探していく方法がいいのか、それとも不動産会社に探してもらうほうがいいのか、それぞれ特徴があるため、一言で論じることはできません。
また東京、大阪などの「都心」と、沖縄や北海道など「地方」での不動産投資はどう違うのかなども含めて解説していきたいと思います。
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1 投資物件の探し方は?
投資物件の探し方はいくつかありますが、そのなかで不動産会社に依頼する、不動産ポータルサイトで探す、競売不動産で探す、これら3つの方法をみていきます。
1-1 不動産会社に依頼する
不動産会社に投資物件を紹介してもらうためには、不動産会社に問い合わせをしたり訪問をしたり、投資物件を探していることを知らせる必要があります。
不動産会社に問い合わせをする際に、電話やメールだけだと印象に残らないことが多いため、本気で不動産会社に依頼をするのであれば訪問はしておくべきでしょう。
不動産会社にどうやって依頼をすればいいのか、誰もが最初に考えることでしょう。
不動産会社にいきなり訪問しても問題ないとも言われていますが、確かに賃貸や居住用の不動産を探しているのであればまったくそのとおりです。
とくに賃貸メインの不動産は、家賃が基準となり契約金も家賃の6ヵ月以下であることから、不動産売買の契約に比べ、はるかに少額となります。
居住用の不動産は一戸建てやマンションの売買価格が基準となり数千万円の取引となりますが、自宅としての住宅ローンは比較的安易に利用することができます。
問題となるのは、「投資用物件」を購入しようとするときです。
投資用物件を購入するための銀行融資は、事業用の融資となるため簡単なものではありません。
新築のワンルームマンションや、今や大きな問題となっている新築のシェアハウス投資などでは、一部の地方銀行との融資が簡単になっていましたが、中古の投資物件はそうではありません。
中古の投資物件を購入する際に、投資物件の融資は一律となっているものではなく、不動産会社の提携がなければ購入者が探してこなければなりません。
そうなると、不動産会社は、投資物件を購入したいとして個人投資家がいきなり来店したとしても、購入できるかどうか分からない顧客に対してしっかりとした対応はできないことになります。
不動産会社でしっかりとした対応をしてもらうためには、事前にアポをとり来店することや、資産状況を開示して、投資物件を本気で購入しようとする姿勢を見てもらうことが必要となります。
1-2 不動産ポータルサイトで物件をさがす
不動産ポータルサイトで探すことは相場観を身に着けるためには大事なことです。
アットホームやyahoo不動産、Homes、不動産投資連合体、健美家など一般的な不動産サイトから投資物件専門のサイトまでさまざまあります。
このなかでどこを見ればいいのか、迷ってしまうかもしれませんが、まずは気になるサイトはすべて見てみることがいいでしょう。
アットホームやYahoo不動産、またHomesなどは基本的に自宅としての居住用の一戸建てまたはマンションの情報が掲載されています。
居住用の一戸建てやマンションもそうですが、まずは相場観を持つことです。
相場観が養われてくれば、安い不動産物件がでたときに即座に行動できるようになるはずです。
不動産投資では、家賃収入を目当てとする「インカム・ゲイン」を主な利益としていますが、高く買っていてはもとを取るためには、相当な期間を要することになります。
不動産物件を売却することになれば、購入時や売却時に手数料もかかることからマイナスとなってしまうことは少なくありません。
不動産のポータルサイトでは、投資物件を探すことが重要であると考えられていますが、基本的にお買い得となっているような掘り出し物はないと考えておくのが無難です。
利回り計算にしても、表面利回りまたは想定利回りが記載されていることがあり、実質利回り(収入から経費を差し引いた利益に対する利回り)はかなり下がることになります。
とくに気をつけなければならないのは、区分のマンション投資です。
区分マンションでは、所有者が負担すべき管理費・修繕積立金があり、単身用の間取りで1万円前後、家族用間取りで3万円前後かかります。
都心の区分マンションであれば、単身用で10万円、家族用で20万円を超える家賃になることもありますが、地方では半額、安ければ1/3が以下になることあります。
管理費・修繕積立金は家賃にかかわらず必要となるため、必ず確認するようにしましょう。
1-3 競売不動産を探す
投資物件を購入する選択肢のひとつとして、不動産競売もあります。
不動産競売では、一般の不動産取引に比べ、安く購入できるとされています。
一般の不動産相場が3000万円の物件であれば2000万円以下で購入できる可能性があるということです。
ただ最近では不動産競売では、不動産投資の人気とともに初心者である個人投資家の参入も増えているため、価格の高騰が起こっています。
なかには一般の不動産取引以上の落札価格となることもあり、決して安く購入できるものではなくなっています。
不動産競売は、個人であっても法人であっても、誰でも参加できる不動産のオークションです。
ヤフオクなどと違うのは、価格を積み上げていくオープン形式ではなく、入札となるクローズ形式となる点です。
入札形式では、開札してみないと落札価格は分かりません。
入札金額を安くしておけば、安く購入できる可能性はありますが、一番高い金額で入札しないと購入する権利を得ることはできません。
安い金額で入札して購入できることが一番なのですが、人気物件ともなると一般の不動産取引と同等以上の価格になることも珍しくありません。
不動産競売では、物件を安く購入できることが大きなメリットではありますが、最近では安く購入することは難しい状況であるといえます。
以上が投資物件の探し方のおもなパターンです。
では次に、投資物件の種類について見ていきましょう。
2 投資物件の種類はどんなものあるのか
不動産投資といえば、会社員に人気の「新築ワンルームマンション投資」がすぐに思いつくかもしれませんが、収益物件としては一棟アパートやマンションのほうが一般的かもしれません。
また、民泊などの影響からか「戸建て賃貸」も最近では人気がでて来ています。
2-1 一棟アパートまたは一棟マンション
一棟アパートやマンションでは、区分マンションに比べて投資金額が大きくなります。
金額が大きいため、キャッシュフローも大きくなることもありますが、空室や修繕が起きた際には、かなりの出費が生じる可能性があります。
土地を所有している地主で新築を始めるのであれば、一棟アパートやマンションの不動産投資を始めることが増えているようです。
大手のハウスメーカーの営業攻勢もありますが、相続税対策でアパートを建築するケースが増えているようです。
一棟アパートと似ていますが、一棟のシェアハウス投資が最近問題になりました。
ある程度の年収がある会社員がオーナーとなり、地方銀行が融資をして新築のシェアハウス投資としたものです。
このシェアハウス投資は、販売会社の家賃保証がもととなり、銀行融資の返済をしてもキャッシュフローがでるという計画だったようです。
新築の投資物件では家賃保証があることは少なくありませんが、当初の家賃を30年間保証することは決してありません。
家賃保証があることで、投資物件の販売金額が高くなっていたり、家賃保証を早々に切り上げられたりする可能性もあります。
2-2 区分所有マンション
区分所有マンションで不動産投資をするのは、都心では効率的であるといえます。
マンションで必ず負担しなければならない管理費・修繕積立金が家賃に対する割合が低くなるためです。
家賃が10万円で管理費が1万円であれば、管理費の家賃に対する割合は10%ですが、家賃が5万円だと20%となってしまいます。
区分所有マンションで不動産投資をする際に、家賃収入に対するランニングコストはしっかり確認しておくべきです。
とくに管理費・修繕積立金は空室となり家賃収入が入らない状態であっても毎月の負担は変わりませんので、大きな出費を伴います。
都心であれば、家賃が高く空室リスクも低いことから、中古で割安なマンションを購入することでキャッシュフローを生み出す投資物件となります。
中古のワンルームマンションであれば都内郊外では500万円前後のものもあり、キャッシュで購入することで金利負担もなく利益を上げやすくなります。
2-3 戸建て賃貸
戸建て賃貸のメリットは、一度賃貸が付くと入居期間が長くなることです。
ワンルームなど単身用では2年や4年などの学生期間や、更新の期限で引っ越すことも少なくありませんが、家族で戸建てに住むようになると、たとえ賃貸とはいえよっぽどの理由がなければ引っ越すことはありません。
戸建て賃貸を新築で始める場合、土地を所有しているのであればいいのですが、土地を購入して始めると利回りは非常に低くなります。
中古の割安な一戸建てを購入して、修繕を低く抑えて上手く賃貸が稼働すれば、大きく利益を上げることができます。
3 不動産投資をするなら「都心」と「地方」ではどちらがいいのか
不動産投資では都心と地方のどちらがいいのか、どちらであってもそれぞれ特徴があり、一概にどちらがいいともいえません。
特徴を理解して自分にあった投資物件を購入するようにしましょう。
3-1 東京や大阪など都心での不動産投資
都心で投資物件を購入して不動産投資をするメリットは、資産価値の上昇期待と空室リスクの低減になります。
不動産は立地がすべてといわれているくらい、都心の土地価格と地方の土地価格は天と地ほど違います。
東京23区の土地価格は1坪100万円以下ということはめったにありませんが、地方の過疎化しているような地域では、1坪10万円以下であることも珍しくありません。
同じ住宅地であっても土地値は軽く10倍以上となります。
また、賃貸需要も都心と地方では都心の需要が多いことは言うまでもありません。
都心の区分所有マンションで不動産投資を始めると、手間がほとんどかかりません。
空室リスクも少なく、修繕費用もほとんどかかりません。
また、都心の築古の投資物件であればある程度の家賃回収ができれば、最終的に土地値で売却することで利益の確保ができます。
ただ都心では利回りが低いことから、銀行借入時の金利が高くなってしまうと、家賃収入で銀行返済ができなくなり、マイナスのキャッシュフローが大きくなります。
都心で投資物件を購入する際には、利回りだけでなく常に「キャッシュフロー」を確認するようにしましょう。
3-2 沖縄、北海道、福岡など地方での不動産投資
地方での不動産投資では、土地値が安いこともあり、投資物件を安く購入しやすいメリットがあります。
先ほども触れたとおり、都心では1坪の土地価格は100万円以上であることは常識となりますが、地方では1坪10万円以下となることが一般的です。
地方の不動産投資では、安く投資物件を購入することが大前提となり、利回りが高い投資物件を購入することです。
空室リスクがあり、修繕費用も多大にかかることもあり、いくら安く購入しても上手く稼働させないと費用倒れになる可能性があるためです。
地方の安い築古の投資物件は、不動産投資の知識や経験がない初心者が安易に手を出すものではないでしょう。
地方の投資物件は利回りが高く、一見すると利益がでるように見えますが、予想外の費用が必要となることも少なくありません。
地方で新築の不動産投資を始めても、修繕費用はかかりませんが満室にするまでが大変です。
地方では、新築でも空室リスクが大きく、中古では修繕費用がかかることを十分に理解して投資物件を購入する必要があります。
4 投資物件の購入で失敗しないためには
投資物件の購入で失敗しないためには、最初から大きな投資物件を購入しないことです。
不動産投資は不動産賃貸業という事業であるため、知識と経験がないと大きな失敗をしてしまいます。
逆に言えば、知識や経験があれば大きな失敗を避けることができるといえます。
不動産投資では、事前に得ることができるのは、「知識」のみであり実践経験は始めてからでないと身につけることはできません。
実践経験は実践を通して身につくものです。
不動産投資は大きな金額が動くため、大きな失敗は多大な損失を被ってしまうことになります。
不動産投資では、空室や家賃滞納もなく、修繕も必要がない時期が半永久的に続くことはありません。
賃貸トラブルもあり、かなりの低確率であっても事件や事故または天災のリスクもあります。
「自分だけは大丈夫だ」という考えをもつ人は少なくありませんが、軽いアクシデントのようなものであれば、不動産投資では頻繁に起こります。
たとえ新築や築浅であっても、エアコンや給湯器などの設備不良がでることがあり、また家賃の遅れや騒音などの入居者間トラブルもあります。
不動産投資で大きな損失を被るという取り返しのつかない失敗を避けるためには、まず小さな投資物件から始めてみることがおすすめです。
5 自分にとってベストな投資物件を購入するためには
自分にとってベストな投資物件を購入するためには、不動産投資のスタイルを見極める必要があります。
例えば次のように、それぞれの特徴やメリットを正しく理解して、自分にあった不動産投資を見極めていくといいでしょう。
都心の新築ワンルームマンション
賃貸管理を管理会社に委託することで、手間はほとんどかからなくなります。
ただし、管理料がかかる分、手取り利益はほとんどないかマイナスとなる可能性があります。
地方の築古一戸建てなど
安く購入ができ利回りも期待できますが、空室リスクが高いことと修繕費用がかさみます。
空室対策と修繕費用を抑えることができれば、大きな利益を出すことができますが、上手くいかなければ費用回収すらできないリスクもあります。
自分自身の不動産投資のスタイルや知識と経験がどの程度あるのか、
よく理解したうえで不動産投資を始めることで、自分にとってベストな投資物件を購入できるはずです。
まとめ
どんな投資物件を購入すれば不動産投資で成功して、大きく利益を出すことができるのか、それが分かれば誰も不動産投資で失敗することはありません。
予想外の空室、予想外の必要な修繕、また予想外の天災などがあることで、予定どおりの不動産賃貸業を続けることができなくなる可能性が十分にあります。
そのため、予想外の空室などのマイナス要因をある程度盛り込んだ上で、「不動産投資シミュレーション」をしていくことが必要となります。
事前に入念なシミュレーションをすることで、不動産投資での大きな失敗を避けることは十分に可能となるでしょう。
東京に仕事を求めてやってくる単身者増加中…不動産投資は、立地で決まる