投資用オフィスの入居満足度向上で不動産価値上昇
国土交通省が、平成30年10月~平成31年2月にかけて実施した環境性、快適性、健康性に優れたオフィスビルに関するアンケート調査の結果を発表しました。
国土交通省/オフィスビル入居企業の満足度向上を投資家も重視
働き方改革が重要視される今、その配慮は勤務形態だけでなく、仕事をするオフィスビルにも向けられていることがわかりました。
今後、企業はますますESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮した不動産(ESG不動産)に価値を見出し、満足度の高いオフィスビルへの入居が増加しそうです。
今回のアンケートは投資家、金融機関、不動産事業者だけでなく、入居者側の一般企業を含めて調査したことから、投資家と入居者の両者の考え方が明らかになりました。
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ESGに配慮されたオフィスビル「不動産価値が高まる」と約8割が回答
国土交通省/環境性、快適性、健康性に優れたオフィスビルに関する国内アンケート調査結果の概要より
環境性、快適性、健康性に配慮することで「不動産価値は高まる」または 「今後高まる」と回答したのは不動産投資家・ビルオーナー側で約8割、テナント側で7割となり、両者とも不動産価値が高まると考えていることが分かります。
その理由としての回答は、不動産投資家・ビルオーナー側の「事業収入の改善もしくは売却額が高くなるから」と「環境性、快適性、健康性に優れた不動産はESG投資の流れに沿っているから」がそれぞれ約4割を占めました。
テナント入居企業は従業員の満足度を重視する流れ
国土交通省/環境性、快適性、健康性に優れたオフィスビルに関する国内アンケート調査結果の概要より
入居時に環境性、快適性、健康性に配慮する理由として、テナント側は「従業員の労働環境の改善(従業員の満足度向上)につながる(期待される)ため」が最も多い回答となりました。
これは、テナント選びの際にコスト低減効果よりも、従業員の満足度の向上、生産性の向上を期待しているためです。
企業が優秀な人材を長期間にわたって確保し、能力を最大限に発揮させるためには、こうしたオフィス環境の改善努力が不可欠になってきていると見て取れます。
テナント家賃上昇の許容率は4~6%が最も多い
国土交通省/環境性、快適性、健康性に優れたオフィスビルに関する国内アンケート調査結果の概要より
それでは、どの程度の家賃の上乗せが期待できるのでしょうか。
上図のとおり、テナント入居者側、不動産投資家・ビルオーナー側ともに環境性、快適性、健康性に配慮した不動産では、そうではない不動産と比較して、許容できる家賃の上昇率として4%~6%が最も多いという結果になりました。
これにより、オフィス賃貸市場はESG投資の流れを重視していることが分かります。
オフィス賃貸市場トレンドはESG投資主流へ変化
企業は生産性の向上、業務効率化を狙い、やりがい創出、リフレッシュスペースや集中ブースの設置などさまざまな形で従業員に新しい仕事環境の価値を提供し始めています。
この先も働き方改革で多くのワークスタイルが広がることが予想されるため、投資家は、ESG不動産投資の動向を注視しておくことが重要になりそうです。
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