勾配天井・母屋下がり [こうばいてんじょう・もやさがり]

勾配天井・母屋下がりとは、屋根の傾斜を利用するなどして、斜めにした天井のことです。

屋根が片流れなら片側に向かって斜めにして、屋根が中心を頂点として両側に傾斜しているならそれに合わせて、といったように屋根の傾きに合わせることが多いですが、平屋根のマンションでも、天井だけ傾きを付けて勾配天井にリノベーションすることができます。

勾配天井のメリット

勾配天井には次のようなメリットがあります。

部屋が明るくなる

勾配天井にすると、普通の天井より上のほうにも窓が付けられるので、部屋を明るくすることができます。
開口部を広く取れるので、テラスやベランダへのガラスの入り口を大きくしたり、入り口の上にさらに窓を付けたりすることも可能であるため、日光を多く取り入れられるのです。
日当たりを重視する人は多いため、部屋が明るくなることは大きなメリットであるといえるでしょう。

視界が広がる

開口部を大きく取れるということは、それだけ広く外の景色を見ることができるということに繋がります。

部屋に開放感が出る

平天井ですと高さが限られるためある程度の圧迫感は否めませんが、勾配天井にしますと高さが出るため、開放感が生まれます。
空間の広がりが、勾配天井のメリットのひとつです。

新鮮な空気を入れられる

勾配天井では窓を多く付けられるので、換気を行ないやすくなります。暖められた空気を上の窓から出し、新鮮な空気を下の窓から入れ、より良い空気の流れにすることが可能です。

勾配天井、母屋下がり

勾配天井のデメリット

高い部分の管理のしにくさ

高いところにある窓や照明の管理をするには、不便さが伴います。
掃除や電球の取り換えのたびに脚立が必要になったり、場合によっては業者を呼んだりする必要も出てくるかもしれません。
メンテナンスの大変さは勾配天井のデメリットであるといえるでしょう。

しっかりした断熱効果が必要

勾配天井では高さが生まれ空間が広くなる分、冬は暖まりづらくなります
暖房効率を上げるためには、しっかりとした断熱効果のある造りにしなければなりません。

コストがかかる

勾配天井の造りの家は造る時にも維持・管理にもコストがかかります。
上述のように断熱材をしっかり入れなければならなかったり、壁紙を貼る際にも高さゆえに足場を組む必要があったり、高いところの窓の掃除に業者を呼ぶ必要があったり、とコストがかかるのが勾配天井のデメリットです。

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監修:棚田 健大郎