仮換地とは?仮換地の購入で注意すべき2大トラブル
土地区画整理事業が行われると、最終的には区画の整理された住みよい街が完成します。
現在東京都においても、令和2年2月時点で460もの事業地区で土地区画整理が進行中です。
ただ、土地区画整理事業は何十年もかかることが多いので、その間に施行地区内の土地を購入する際には注意しなければならないことがいつくかあります。
そこで本記事では、土地区画整理事業における仮換地を購入する際のよくあるトラブルをご紹介しながら、注意点について解説していきたいと思います。
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仮換地とは何か
土地区画整理事業では、従前のいびつな形の土地を区画整理によって正方形や長方形の使いやすい形に整形していきます。
そして、施行地区内のすべての区画整理が終わると、換地処分が行われて従前の宅地から新しい宅地に所有権が移転するのです。
この新しい宅地のことを換地というのですが、土地区画整理事業は広域にわたって行うことが多いので、実際は事業開始から換地処分まで何十年もかかることがよくあります。
そうなると、すでに区画整理が終わった宅地とまだ未着手の宅地が混在することになるので、すでに区画整理が終わった場合は将来換地にする予定の宅地を「仮換地」として指定して、とりあえず使用収益できるようにしているのです。
※仮換地と換地が違う宅地になることもあります。
仮換地購入時のトラブル事例1:賦課金を請求された
仮換地ということは、地域全体の土地区画整理事業がまだ終わっていないことを意味しています。
仮換地を購入すれば土地を使用収益できますのでマイホームを建てることも、もちろん可能です。
ただ、注意しなければならないのが「賦課金」の徴収です。
土地区画整理事業における事業資金の多くは、土地区画整理をすることで余る土地である「保留地」の売買代金を充当することが多いのですが、地域によっては思うように保留地の販売が進まないことがあります。
仮に保留地が売れず事業資金が不足することになった場合、土地区画整理組合は組合員等から事業資金にあてるために賦課金を徴収できるのです。
実際、仮換地を購入した後に賦課金を請求されて困っているという話を聞いたことがあります。
賦課金は売買契約の時点で組合において議決されていれば、重要事項説明の際に詳細を説明されますが、議決されていない場合は一般的な説明しかされない可能性があるので注意が必要です。
仮換地を購入する際には、換地処分があるまでは賦課金徴収の可能性があることを理解したうえで、将来徴収の可能性がどの程度あるのかなどについても、売主や組合等に問い合わせて確認することをおすすめします。
精算金の可能性も
土地区画整理事業では、賦課金が発生する場合もあれば、反対に減歩したことに対して精算金が支払われることもあります。
仮換地を購入して精算金が発生した場合、原則的には買主が精算金を取得しますが、売買契約上で売主に帰属すると定めていることもありますので、事前に確認が必要です。
仮換地購入時のトラブル事例2:土地面積の勘違い
仮換地については換地処分がされることで、土地の所有権が従前の宅地から換地へと移行します。
よって、換地処分がされる前の仮換地については、使用収益することは可能ですが、所有権については厳密にいうと従前の宅地のままです。
利用上特段の問題はありませんが、売買契約を締結する際には注意が必要になります。
土地区画整理事業をすると、土地の形は整う反面、面積については削られる(減歩)のですが登記簿上の面積は従前の宅地のままです。
そのため、「登記簿上の面積=形が整っている仮換地の土地の面積」と誤認する恐れがあり、登記簿上の面積をベースに坪単価計算をしてしまうと、買主が損をしてしまう可能性があります。
「登記簿上の面積=従前の宅地の面積」であり、仮換地の面積よりも広いため、仮換地を売買する際には十分に注意しましょう。
まとめ
土地区画整理事業を行う目的は、区画を整理して住みよい住環境を形成することなので、事業が完了すれば地域一帯の価値が上がる可能性があることから、仮換地の状態で購入する人は少なくありません。
ただ、仮換地は法的な権利関係が非常に複雑化していてトラブルになりやすいので、売買する際には施行者に問い合わせするなどして、徹底的に調査確認することが大切です。
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