不動産投資コラム

地方移住する前に知っておきたい注意点

地方移住する前に知っておきたい注意点

前回の記事withコロナで高まる「地方移住」への関心 のアンケート結果などから分かるように、地方移住にはさまざまなメリットがあります。
それに対して、気を付けなければならないことやデメリットも当然たくさんあります。

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地方移住のデメリットとは

仕事、金銭面

まず大切なのは収入をどこから確保するかということです。
IT関連やフリーランスとしてPCとインターネット環境があれば完結する仕事でしたら、大きな問題はないかと思います。
ただし、移住先で就職したり、アルバイトを探したりするのは容易ではなさそうです。
地域差はありますが、会社や店舗が通える範囲に少なく、働き口が限られてしまうということです。

また、仕事が見つかったとしても収入源をその勤務先だけに頼りきってしまうというのもリスクがあります。
実際、複数の収入源を持って、生計を立てている移住者も少なくありません
例えば繁忙期の農家の手伝い、草むしりや清掃の代行、自分の商品を製作しネットで販売、田舎暮らしの様子をYOUTUBEで紹介して広告収入を得るなどです。
 
どうしてもお金の問題は避けては通れません。
移住する時や移住先で開業する時には、さまざまな支援が受けられる場合があります。
内閣府が行っている地方創生プロジェクトである「起業支援金」と「移住支援金」の制度を見てみましょう。

1.起業支援金…地域の課題に取り組む「社会性」「事業性」「必要性」の観点をもった起業(社会的起業)を支援(最大200万円)
2.移住支援金…地域の重要な中小企業等への就業や社会的起業をする移住者を支援(最大100万円※単身の場合は最大60万円)

つまり、地方へ移住して社会的事業を起業した場合(1+2)では最大300万円(※単身の場合は最大260万円)の支援が受けられます。

起業支援金の対象の要件として、

①東京圏以外の道府県又は東京圏内の条件不利地域において社会的事業の起業を行うこと、
②公募開始日以降、補助事業期間完了日までに個人開業届又は法人の設立を行うこと、
③起業地の都道府県内に居住していること、又は居住する予定であることのすべてを満たす必要があります。

※東京圏:東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県
※条件不利地域:「過疎地域自立促進特別措置法」「山村振興法」「離島振興法」「半島振興法」「小笠原諸島振興開発特別措置法」の対象地域を有する市町村(政令指定都市を除く。)

起業支援金交付までの流れ

他方、起業支援金の対象の要件としては、

① 【移住元】東京23区の在住者又は通勤者(5年以上)、
②【移住先】東京圏以外の道府県又は東京圏内の条件不利地域への移住者、
③【就業・起業】移住支援事業を実施する都道府県が、マッチングサイトに移住支援金の対象として掲載する求人に新規就業した方又は起業支援金の交付決定を受けた方という要件をすべて満たす必要があります。
移住支援金交付までの流れ

それぞれ、申請のタイミングによっては支援金を受けられない場合がありますので注意が必要です。
現行の制度は上記の通りですが、首都圏から移住して地方で起業する場合だけでなく、新たに、東京の仕事を地方で続ける人も対象に加えるという趣旨の記事(2020年9月25日付の日本経済新聞)が載っていました。

政府は2021年度から、テレワークで東京の仕事を続けつつ地方に移住した人に最大100万円を交付する、地方でIT(情報技術)関連の事業を立ち上げた場合は最大300万円とするという内容です。
現在はまだ概算要求の段階ですが、菅政権は地方創生を優先課題の一つに挙げていますので、これまでよりも充実した制度に変わっていく期待が持てそうです。

国の支援のほかにも、各自治体ではさまざまな特色のある支援策を用意しています。
例えば移住先として常に人気の上位にランクインする長野県にある信濃町では、若者の定住促進に対する補助金、住宅取得資金の利子に対する補給金、住宅リフォームに対する補助金などの制度があります。
自治体によって実にさまざまで、工夫の凝らされた支援制度がありますので、気になる自治体のホームページで探してみていただければと思います。

長野県信濃町ホームページ「移住者の支援制度」

教育の面

自然豊かな環境で子供を育てたいという理由で移住される人も多いと思います。
その場合に気になるのは子供の教育の問題です。
過疎化が進む地域では選択肢が限られるため、十分な教育を受けさせられないのではという心配も聞かれます。
これについては確かにその通りだと思います。

しかし、新型コロナが拡大して以降、オンライン教育が注目されるようになりました。
外出自粛期間中やその後においても、オンラインを使った授業をする学校も見られるようになりました。

いま、文部科学省が進めている「GIGAスクール構想」というものがあります。
1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することや、多様な子供たち1人1人に個別最適化した授業を提供することなどが目標です。
これは地方に住む人たちにとっては、望ましい流れだと思います。
1人1人に個別最適化というのは、過疎地や離島の子供たちが多様な考えに触れる機会をつくるということも念頭においており、地域の教育格差の是正に政府は力をいれて取り組んでいます

今まででしたら、限られた生徒同士としか接点がもてなかった地域でも、ほかの地域に住む同級生とインターネットを介してコミュニケーションをとったりするというのも遠い将来のことではなさそうです。
こういった意味では、移住先での教育環境は徐々に充実していくのではないかと個人的には思います。

GIGAスクール構想

文部科学省「GIGAスクール構想」について 

医療の面

地方移住を考えた場合、教育と並んでネックとなる問題に医療があります。
人口が減少していく地域や離島においては、受診しようと思っても近くに病院がなく気軽に行けないという心配があります。

この点、新型コロナウイルスを契機として、オンライン診療の議論が今まさに行われているところです。
時限的措置として実施されているオンライン診療・服薬指導など、デジタル時代に合致した制度として、恒久化を行うという方向性が示されています。

10月7日の第1回規制改革推進会議でも「当面の審議事項」にオンライン診療が入り、「デジタル時代に合致した制度として恒久化を行う」と明記されました。
オンライン診療については反対も予想されますが、規制緩和の動きは徐々に進んでいくものと思われます。

参照:首相官邸ホームページ 第1回規制改革推進会議の様子

まとめ

今回は地方移住について、ざっと紹介させていただきました。
自然環境の豊かな暮らしにあこがれて、地方移住を検討されている人もいらっしゃるかもしれません。
その反面、都会とちがって、不便さを感じることも多いと思います。

ただ、新型コロナの感染拡大を境に人々の考え方に変化が生じ、「オンライン」をキーワードに少しずつ問題が軽減されていく方向にあると思います。
メリットとデメリットの両面とこれからの時代の流れを検討して、慎重に決断していくことが重要だと思います。

今回は以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。

You Tube動画:「政府も支援!地方移住」はこちら

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堀田 直紀
堀田 直紀

堀田 直紀

不動産鑑定士・宅地建物取引士

堀田 直紀

不動産鑑定士・宅地建物取引士

不動産鑑定士試験合格後、民間最大手の大和不動産鑑定株式会社にて約11年間、収益物件をはじめとした鑑定評価業務に従事。平成29年10月、ミッドポイント不動産鑑定株式会社を設立。

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