競売物件 [けいばいぶっけん(きょうばいぶっけん)]

競売物件とは、裁判所によって売り出され、競売(オークションのような入札形式)で落札される不動産のことをいいます。

家を買ったものの、ローンや税金を払えないといった理由で差し押さえられた物件で、通常の不動産市場価格よりも非常に低い金額で取引されることが特徴です。

当初は物件の価格が相場の半額程度に設定されており、そこから一定期間の間に、一番高い金額で入札した者に購入する権利が与えられます。

それでも一般の物件よりも価格は安く、高くても相場の7~8割ほどで購入することが可能です。

競売物件を探す方法

競売物件を探す方法は、

  • 裁判所
  • BIT
  • 918.jp

などがあります。

裁判所

物件の所在地を管轄している裁判所に赴き、3点セットと呼ばれる書類を入手します。
3点セットとは次のようなものです。

・物件明細書
物件の基本情報や売る際の条件などが書かれた資料です。

・現況調査報告書
物件明細書より詳しい資料です。
建物内部の写真、地積、債権に関する情報が得られます。

・評価書
周りの環境や競売に至った流れ、またそれを根拠とした評価額が載っている資料です。

BIT

裁判所から委託を受けて、NTTデータが運営しているインターネットサイトです。

918.jp

一般社団法人不動産競売流通協会が運営しているインターネットサイトです。
想定利回りや人気度なども載っていて、ビギナーには分かり易い情報サイトといえます。

競売物件のメリット

1:相場よりも安く購入できる

競売物件の一番のメリットは、何と言っても相場よりも低い金額で物件を購入できることです。
また、不動産会社を通さずに購入できるため、仲介手数料もかかりません。

2:裁判所による手続きだから安心

裁判所という公的機関が売り出しますので、一般の物件の売買にあるような詐欺などのトラブルに遭わずに済みます。

3:市場に出ないような物件も見つかる

競売物件は資産価値があってもなくても情報が公開されますから、変形した土地でもいいから駐車場に欲しいとか、隙間空き地に自動販売機を置きたいとか、需要の少なさそうなニーズにも合うものが見つかるかもしれません。

競売物件

競売物件のデメリット

1:支払方法が現金一括払いのみ

競売物件は現金一括での購入になるため、通常の不動産投資のようにローンを組んで購入することができません。
そのため、購入に際してまとまったお金が必要となり、不動産投資ならではの「レバレッジ効果」は使えないのです。

2:物件の中を見られない

通常の不動産売買であれば、内覧できることもありますが、競売物件の場合は3点セットの情報がすべてなので、内覧して購入を決断することができません。

3:自己責任が大きい

競売物件を落札すると、裁判所が所有権移転登記まで職権でやってくれますが、その他のことは一切やってくれません。
そのため、居住者がいる場合の立ち退き交渉は自分自身でしなければなりません。
また、瑕疵担保責任もないので、瑕疵があった時にも賠償請求ができないので注意しましょう。

競売物件は初心者投資家には向かない

競売物件は安く購入できる分、不確定な要素が大きいため、落札者の多くはプロである不動産会社で、不動産投資の初心者が手を出すと大きな損害を被る可能性があるため注意が必要です。

競売物件は、あくまで裁判所が調査した最低限の情報だけで取引をするため、それ以外の部分はある意味自己責任で購入することになります。

そのため、建物明渡請求などのトラブル解決経験のある不動産投資家などでなければ、あまり積極的にはおすすめできません。

不動産投資で競売物件を買う際のコツ

どうしても不動産投資で競売物件を落札したいのであれば、事前に占有者と接触することが、落札後のトラブルを回避する重要なポイントとなります。

所有者が当該物件に居住しているようであれば、事前に接触をして、退去する意思はあるのか、退去しないならいくらであれば家賃が払えるのか、などについてヒアリングしておくことで、ある程度のリスク管理ができるでしょう。

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監修:棚田 健大郎