土地活用 [とちかつよう]
土地活用とは、十分に使用していない更地などを、最大限効果的な方法で活用することです。土地は、所有しているだけで毎年税金が課される資産なので、税負担を軽減するとともに安定した収入源にすることを目的として、土地活用するケースが多くみられます。
土地活用の具体例
土地活用の具体的なケースを、4つご紹介します。
1.賃貸物件を建築する
土地にアパートやマンションなどの賃貸物件を建て、賃貸経営をする方法です。
経営が上手くいくかどうかは土地の立地条件などにも左右されますが、成功すれば長期的な安定収入が期待できることや、相続対策として有効であるために、根強い人気があります。
2.貸駐車場・貸地にする
賃貸経営が難しい場合には、コインパーキングや月極駐車場、または貸地とすることもできます。
収益は賃貸経営ほど多くはならないものの、
- 初期投資が手頃なこと
- 管理が容易であること
- 後々、用途の変更がしやすいこと
など、メリットも多いのが特徴です。
3.等価交換する
土地を同等の価値の建物と交換する、という方法です。
たいていのケースでは、地主がディベロッパーに土地を提供してマンションやオフィスビルなどを建築させ、完成した建物の一部が地主に還元されることになります。
4.売却する
土地を売却してしまえば、
- 土地の管理責任から解放される
- 手っ取り早く売却益を手にすること
ができます。
デメリットは、
- 売却益に所得税や住民税がかかってしまうこと
- 土地を手放すことで継続的な収益を得る機会が無くなること
などです。
土地活用における注意点
土地活用は高額な資金が関係するため、慎重にならざるを得ない問題です。
加えて、以下のような注意点もよく考慮して決定しましょう。
1.元の状態に戻すことは難しい
土地活用をスタートした後は、元の更地に戻すことがほぼ不可能になります。
賃貸物件や駐車場の経営がうまくいかなくても、そう簡単に後には引けなくなるため、入念なシミュレーションが必要です。
2.収益に応じた税金負担がある
土地活用によって収益が生まれるのは喜ばしいことですが、それに比例して払うべき税金も増えます。
賢い節税対策を講じる必要があるでしょう。
3.経営に伴う責任や収益の変動リスク
ほかに仕事を持っているとしても、賃貸物件や駐車場のオーナーになる以上は経営のことも考えなくてはなりません。
物件を適正に管理し、円滑に運営していくことはオーナーの責任のごく一部です。
また、常に満室にしておくことはできませんから、収益の変動にもある程度耐えられるようにしておかなければなりません。
相続対策としての土地活用の必要性
土地活用と相続対策は密接に関係しています。
なぜなら、遺産相続において最も高額な相続税が課税される恐れがあるのが「更地」だからです。
何の土地活用もされていない更地については、相続税の課税対象となる「相続税評価額」が非常に高くなるため、先ほどご紹介した賃貸物件を建築するなどの土地活用をすることで、評価額を引き下げることが重要になります。
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監修:棚田 健大郎