盛土 [もりど]
盛土とは、傾斜している土地を平らにしたり、低い地盤を高くしたりするため、元の土地の上に土を盛ることです。主に、住宅を建設するために必要な平らな土地を造成するために行われます。
また、盛土とは逆に、土地を削り取って平らな土地を造成することを「切土(きりど)」といいます。
盛土のメリットとデメリット
盛土をし、地盤を高くすることにより、雨などによる水害を最小限に止めることが可能です。
津波のような大災害を防ぐことはさすがに難しいですが、ある程度の大雨であれば、盛土をすることで、住宅への浸水を防ぐことができるでしょう。
また、盛土をして、道路より住宅を高くすることにより、家の中を覗かれにくくする効果もあります。
ただ、盛土をして造成した部分は強度が弱いため、建物が斜めに傾いて沈んでしまう不同沈下を起こしやすくなります。
耐震性も低く、地震などによる大規模な災害があると、盛土に建てられた住宅は被害が大きくなってしまう傾向があります。
盛土をされているかどうか調べる方法
土地や建物を購入する場合、その土地が盛土をして造成されたものなのか気になるところだと思います。
それに関しては、国土交通省が「大規模盛土造成地マップの公表状況等について」を公開していますので、まずはそちらを参考にするとよいでしょう。
しかし、各都道府県によって公表率に差があり、大規模盛土造成地マップの公表をまったくしていない都道府県もあるのが難点です。
その場合、市区町村役場の建築関係の部署をあたってみると、古い資料が残っている可能性があります。
また、売主や仲介業者に、土地の造成に関する資料や図面を取り寄せてもらうよう依頼するという方法もあるでしょう。
ただし、どの方法も古くに行われた造成工事だと資料が残っていないことも多いので、どうしても調べたい場合は、専門家に調査を依頼するしかありません。
その場合、費用が高額となってしまうことも有り得ます。
盛土の土地を購入したい場合
盛土で造成された土地の購入を検討している場合、地盤調査は必須であり、その結果次第では大規模な地盤の補強工事を行う必要があります。
地盤補強工事の費用がかかりすぎてしまうと、建物にかけられる費用にも影響してきます。
地震が多い日本では、地盤の強度は非常に重要であるため、盛土で造成された土地を購入したい場合は、慎重に調査検討する必要があります。
盛土の種類
盛土には次のような種類があります。
山砂
透水性の良い山砂については、川砂や海砂と比べると粒子がそろっていて、締め固めるとある程度強固になるという特長があります。
根切り※土の中の良質な土
根切り(※建物を建てるために地面を掘る工事)して生じた土を使用します。
しかし、もともとあった土に有機物やコンクリートガラなどが含まれている場合は、強度が保てないため使用できません。
他の現場の建設発生土の中の良質な土や再生コンクリート砂
いわゆる土砂のリサイクルで、資源の有効利用のために積極的な使用が求められています。
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監修:棚田 健大郎