吹き抜け [ふきぬけ]

吹き抜けとは、建物において、下階に天井を設けず、2階や3階などの上層階にまで空間を広げたスペースのことです。

採光や解放感に優れており、住宅では玄関や階段、リビングなどでよく採用されます。

吹き抜けのメリット

吹き抜けにすると、次のようなメリットがあります。

解放感が出る

視野をさえぎる天井がないので、空間の広がりを感じられ解放感が出ます。

部屋が明るくなる

1階の天井がない事により、2階の位置にある窓からの光が階下に差し込むため、部屋が明るくなります。

風通しが良くなる

どのように吹き抜けを造るかによりますが、一般的には、1階の窓と2階部分の窓を開けることで風の循環が生まれ、風通しがよくなります。
さらに、天井にシーリングファンを取り付ければ、より空気が循環しやすくなるでしょう。

吹き抜け

吹き抜けのデメリット

吹き抜けはメリットがある一方で、次のようなデメリットもありますので、検討する際には事前によく理解しておく必要があります。

上階のスペースが狭くなる

2階、または3階部分の床をなくすことになるため、当然上階の居住スペースは狭くなります。

メンテナンスに手間がかかる

2階部分の窓を掃除するには足場を組まなければならない可能性があり、場合によっては業者に依頼することになるケースもあります。
天窓には汚れが溜まりやすいので定期的な掃除が必要ですが、業者に頼めばコストがかかります。

プライバシーを保ちにくい

空間のつながりで建物内の一体感は生まれますが、裏を返せばプライバシーを保ちにくいということでもあります。

特に二世帯住宅では、この点をよく考えて、吹き抜けにするかどうか慎重に検討したほうがよいでしょう。

温度管理がしにくい

吹き抜けにすると、空間自体が広がるため、開放感や風通しがよくなる反面、冷暖房を使用した際に下階が暖まりにくい、上階が暑い、といった問題が発生することがあります。

そのため、吹き抜けにする場合は、天井にシーリングファンを取り付けて空気の流れをつくったり、床暖房にして下から温めるといった工夫も必要になるでしょう。

このように、掃除や管理に労力とコストがかかるのが、吹き抜けのデメリットです。

あわせて読みたい

柱1本残せば再建築不可でも建て替えできる?

監修:棚田 健大郎