不動産投資コラム

初心者が失敗しない不動産投資会社の見分け方

行政書士棚田 健大郎
初心者が失敗しない不動産投資会社の見分け方

前回の記事 で、不動産投資会社ごとにさまざまな特徴があることがお分かりいただけたでしょうか。
後半はさらに掘り下げつつ、初めての不動産投資で質の高い不動産投資会社を見分ける方法について解説します。

【1分で分かる!新築一棟投資の魅力とは?】東京圏・駅徒歩10分圏内の物件紹介はこちら

「買う、賃貸管理、売る」が全部おまかせできる会社の特徴

不動産投資会社の中には、投資物件の売買だけでなく、その後の賃貸管理についてもワンストップで対応している場合があります。

特に、自社で投資物件を建てている不動産会社については、販売会社、仲介会社、管理会社の3社をグループ会社化していることが多いのです。

ワンストップ

メリット1:手続きがスムーズ

物件を購入してから、管理委託するまでが同じ会社もしくはグループ会社になるため、手続きがとてもスムーズです。

売買しかやっていない不動産投資会社から物件を購入すると、自分で管理会社を探して引き継ぎをしなければなりませんが、不動産投資会社自体が管理も対応していると、内部で物件情報を引き継いでもらえるため、特段の手続きが不要で、管理委託契約書を交わすだけでスムーズに管理してもらうことができます。

メリット2:空室が決まりやすい

ワンストップ対応している不動産投資会社の多くは、自社のシリーズ物件を分譲していることが多く、マンション名に自社のブランド名が付いているケースがよくあります。

こういった物件は賃貸仲介業者からの知名度が高いため、その会社に空室の問い合わせが集中して入ることが多いです。

よって、他社に管理委託する場合に比べ、賃貸仲介業者に紹介してもらえる機会が増えるため、空室が決まりやすいという特長があります。

メリット3:管理料が割引になることがある

自社物件を購入して賃貸管理も同時に依頼すると、管理料を割引してもらえることがあります。
ワンストップ対応している不動産投資会社は、売買である程度の利益が出るため、賃貸管理の管理料については、多少値引きしても赤字になりにくいのです。

よって、できる限り管理料を安く抑えたい場合は、ワンストップ対応している不動産会社から物件を購入する際に、管理料について交渉してみるとよいでしょう。

デメリット:客観的な意見が聞けなくなる

売買から賃貸管理まで同じ業者に依頼すると、手続きとしてはとてもスムーズですが、客観的な意見を聞く機会がなくなってしまう点に注意が必要です。

ワンストップで対応してもらうと、基本的に自社物件のよい部分ばかりをアピールされるため、対策が必要になる弱点について客観的な意見を聞くことが難しくなります。

できるだけ、違う業者の意見も聞いてから判断するよう心がけたほうがよいでしょう。

一棟ものを買うならおすすめ

ワンストップの不動産投資会社については、賃貸管理の引き継ぎに多くの手間がかかる一棟もののアパートやマンション投資を検討する際におすすめです。

一棟ものの場合、管理戸数が多くなることから、管理会社を別で探すとなると引き継ぎなどの手続きが複雑になる可能性がありますが、ワンストップの不動産投資会社であれば、賃貸管理の引き継ぎについてもスムーズにできます。

できる限り手間をかけずに不動産投資をしたい方については、ワンストップの不動産会社を利用するとよいでしょう。

営業マンの知識が豊富で質が高い会社とは

質の高い会社

不動産投資会社の中には、ひたすらゴリ押し営業してくる業者もいれば、まるでファイナンシャルプランナーのように資産形成に関して丁寧にアドバイスをしてくれる業者もいます。

例えば、窓口となる営業マンが、宅建士、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、FP技能士といった不動産関連の資格を保有している場合は、インセンティブだけが目当てのゴリ押し営業マンではなく、知識あるアドバイザーとして強い味方になってくれる可能性があります。

質が高い不動産投資会社の見分け方

営業マン個々のスキルが高い不動産投資会社に共通しているのは、関係法令にとても敏感であるという点です。

例えば、しつこいダイレクトメールや電話営業をしてくる業者については、営業マンのスキルアップよりも、強烈なノルマを与えてゴリ押しで営業する業者の可能性が高くなります。

また、営業マンの言葉遣い一つとってみても、ある程度見分けがつきます。

  • 頭金を「ガツン」と入れましょう
  • 家賃が「ガッツリ」入ってきますよ
  • 「ドカン」と経費がかかります

といったように、品のない表現や、抽象的な表現を多用する営業マンについては、大したスキルを持っていないことが多いので覚えておきましょう。

質の高い不動産会社は、そのような露骨な営業はあまりしておらず、ホームページがしっかりと作りこまれていて、問い合わせに対する返答が丁寧で、聞いたこと以上のことを答えてくれる点が特長です。

初心者投資家が避けるべき不動産投資会社3つの特徴

避けるべき会社

最近では不動産投資ブームに便乗して、非常に多くの不動産投資会社ができましたが、中には初心者が手を出すと失敗する可能性が高い業者も含まれているため注意しなければなりません。

次の3つの特徴にあてはまる不動産投資会社については、しつこく営業されたり、良くない物件を無理やり買わせようとしたりしてくる可能性があるため、できる限り避けることをおすすめします。

  • 宅建業の免許番号が(1)である
  • 本社の所在地がマンションの一室である
  • 資本金が1,000万円以下である

この3つすべてににあてはまるような業者については、他社が分譲した中古物件を右から左に転売してその差益で儲けているレベルの低い業者である可能性が高いため、初心者投資家はできる限り気を付けたほうがよいでしょう。

まとめ

不動産投資で成功するためには、信頼できる不動産投資会社、そして営業マンに出会うことが最も近道であるといわれています。

まずは不動産投資会社ごとの特徴を理解し、自分自身の考え方にあっている会社を見極めて問い合わせをすることが重要です。

不動産投資業界は働く側のノルマが非常に厳しいことが多く、人の入れ替わりが激しい業界なので、業界歴が短く経験の浅い営業マンではなく、有資格者でスキルの高い営業マンかどうかを、冷静に見極めるよう心がけましょう。

あわせて読みたい

不動産投資会社の選び方 全国展開VS地域密着型

なぜ不動産投資の営業マンは自分で物件を買わない?

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

記事一覧