地上げ [じあげ]
地上げとは、宅地建物取引業者が土地の有効活用を目的として、物件を安く買い取り、物件の問題を解消し、利益を含んだ値で物件を売る行為のことです。バブル期の、暴力団が関与した地上げによって悪いイメージが強く残っている言葉ですが、実際に不動産業者がプロとしての知識を用いて物件を造り換えて転売すること自体は、無理に立ち退きを迫ったりするのでない限り、問題はありません。
違法でない地上げには、土地建物の買収、権利関係の書類作成や立ち退きの交渉に至るまで、専門知識とコミュニケーションスキルが求められます。
違法な地上げ屋
バブルの時期にはマンションなどの不動産にかなりの値が付き、不動産を右から左へ転売するだけで多額のお金が手に入る地上げは、暴力団関係者からも目を付けられました。
違法な地上げ屋は、建物に放火したり、ダンプカーを突っ込ませたりしてまで住人を立ち退かせようとしたのです。
こうした不法行為は社会に大きな衝撃を与え、結果として「地上げ=ブラック」というイメージになってしまったのです。
本来の地上げ
本来の地上げは、難あり物件を安く買い取り、問題点を解消してからその物件を高く売る、不動産業界でもスキルの求められるプロフェッショナルな仕事です。
高いスキルを持っているため、違法行為など行なわなくても、立ち退き交渉をうまくまとめることが可能である場合が多いのです。
立ち退き料やリフォーム代金などを充分上回る利益が出れば、違法なことをせずともビジネスを成功させることができることになります。
現在の地上げ
違法な地上げは宅地建物取引業の資格を取り消されますし、暴力団が関わることも難しくなっています。
それでも立ち退きなどで不当に圧力をかけられた場合は、宅地建物取引業協会や弁護士に相談したほうがよいでしょう。
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監修:棚田 健大郎