防犯カメラ [ぼうはんかめら]
防犯カメラとは、盗みや事件などが起きたときの犯人特定や、犯罪行為自体を抑止する目的で、現場を録画するために設置するカメラのことです。似たものに「監視カメラ」がありますが、監視カメラは現場の様子を観察・チェックする目的が強く、防犯を目的とした防犯カメラとは趣旨が若干異なります。
防犯カメラの性能アップ
防犯カメラの性能は、次のように年々向上しています。
画質の性能アップ
ひと昔前の防犯カメラは、ビデオテープ式で画質が悪かったので、素早い万引きの決定的証拠にはならないというケースがありました。
しかし近年の防犯カメラの性能の向上には目を見張るものがあります。
今の防犯カメラの録画はデジタル式ですので、スロー再生や逆再生、1コマ単位での再生も可能です。
こうした機能によって、犯行の決定的瞬間をとらえることができるようになったので、犯人を特定するのにも役立ちます。
耐久力アップ
屋外用防犯カメラには雨風に対する耐久力が備わっていますので、台風の時でも撮影可能です。
賃貸物件では、駐輪場や駐車場などに屋外用防犯カメラを設置すると、自転車の盗難や車上荒らしなどに対する犯罪抑止に効果があります。
夜間の撮影もできる
最近の屋外用カメラには赤外線LEDが付いていますので、夜間であっても撮影が可能です。
逆光補正機能
屋外では逆光や西日などによって被写体に暗い影ができてしまい、人物を特定できなくなる状況があります。しかし、この逆光補正機能を使えば被写体を明るくすることができ、人物の特定も可能です。
防犯カメラの犯罪抑止効果
犯罪者もこうした防犯カメラの性能の向上については知っているため、防犯カメラの設置されている場所での犯行はさけるはずです。
そこでこの心理を利用して、建物に防犯カメラを設置するときには、カメラを目立たせて犯罪を抑制させる効果を狙うことができます。
カメラの存在をアピールすることは、犯罪抑止に効果的で、人が通る時にセンサーでライトが点くようになっているタイプの屋外用防犯カメラなどを、エントランス付近に設置するのもおすすめです。
また、防犯カメラを設置する予算がないという場合は、本物そっくりのダミーもありますので、試してみるとよいでしょう。
広角タイプと望遠タイプ
屋外用防犯カメラには広角タイプと望遠タイプがあります。一般的には広角タイプが多く使われています。
広角タイプ
遠くの被写体は小さくなってしまいますが、横幅が広く映るので、敷地内を広く映したい場合や近くの駐車場を映したいときなどに有効です。
望遠タイプ
遠くにある被写体をピンポイントで映すので、設置場所から遠くにある駐車場を撮りたいときなどに使います。
このように、防犯カメラによって特徴がありますので、導入を検討する際には、設置場所にあった防犯カメラを選ぶとよいでしょう。
防犯カメラ導入費用の相場
賃貸物件に防犯カメラを導入する場合の費用としては、設置するカメラの台数や設備状況によって相場が異なります。
総戸数が少ない小規模なアパートなどであれば、ネット通販で1~2万円程度の防犯カメラを購入して自分で設置することも可能です。
ただ、複数台を設置するような規模の建物の場合は、別途業者に依頼することが多く、カメラ1台あたり3~10万円程度、その他に工事費用や維持費用などがかかることもあります。
そのため、カメラを複数台設置することを検討している場合は、一度業者に現地を確認して見積もりをしてもらうことをおすすめします。
実際に業者に現場に来てもらうことで、カメラが捉えられる視界の範囲や、優先的に設置したほうがよい場所、設置が不要な場所などについてもアドバイスしてもらえるでしょう。
賃貸物件における防犯カメラのおすすめの設置場所
防犯カメラは空いているスペースに、ただ闇雲に設置しても、かえって景観を損ねてしまうため、防犯上効果の高い場所を選んで設置することが重要です。賃貸物件については、以下のような場所に設置すると、防犯カメラの効果を最大限引き出せるでしょう。
- 建物の出入口、通用口
- エントランス付近
- エレベーター内(監視カメラ)
- 共用廊下部分
- 駐輪場
- 駐車場
これらの場所に設置すると、防犯上より効果があります。
ただし、建物の規模に対してあまり多くの防犯カメラを設置すると、居住者からプライバシーの問題について指摘される可能性がありますので、あくまで必要最小限の台数を設置することを心がけたほうがよいでしょう。
賃貸物件に防犯カメラを導入する際の注意点
自身の所有する賃貸物件に防犯カメラを導入する際には、導入後のメンテナンス費用についても事前に見積もっておく必要があります。
防犯カメラを設置する以上は、賃貸募集する際にも防犯カメラが完備している物件ということで入居する人も出てくるはずです。
入居後、万が一空き巣被害などが発生した際に、設置していた防犯カメラが何らかの不具合で撮影できていなかったり、壊れたまま放置していたりすると、大家としての管理責任を問われる恐れがあります。
そのため、防犯カメラを設置した場合は、定期的に動作確認するなどのメンテナンスにも気を配るようにしましょう。
また、リースを利用すれば、リース会社が定期的に点検などのメンテナンスをしてくれることもあります。
監修:棚田 健大郎