礼金 [れいきん]
礼金とは、引越しで新たに入居する人が、不動産業者を通じて大家に支払う初期費用の一部のことです。礼金の本来の意味合い
借主が大家に対して「住まわせてくださることに感謝します」とお礼をしたものが礼金といわれており、関東の住宅事情が困難な時代に始まったという説もあります。
家賃の1ヵ月~2ヵ月分程度が相場で、敷金と違って退去時に返ってくることはありません。
由来には諸説あり、現在では本来の意味合いも薄れており、その上エリアによっては廃れてきている慣習です。
礼金の由来
礼金の由来の説は幾つかあります。
関東大震災で家を失った人たちが多く、その人たちが住める住宅は少なかったので、「そんななか、部屋を貸して住まわせてくれてありがとうございます。」という気持ちで家主にお礼を包んだことが始まりとする説があります。
また高度経済成長期に、「一人上京する我が子がお世話になります。」という気持ちを込めて、就職のため東京へ出た子どもが借りた部屋の家主に親が包んだお礼が始まりだったとする説もあります。
いずれにしても、礼金の制度は北海道や近畿、九州などではあまりない制度ですから、東京が発祥の地だという説が有力です。
廃れてゆく礼金制度
少し不便なところにある物件の家主は、借主を見つけるために様々な手段を講じます。
その方法の1つが、「ゼロゼロ物件」にする、というものです。
ゼロゼロ物件とは、敷金・礼金をゼロにした物件のことです。
敷金の代わりにクリーニング代として退去時の原状回復費を請求するところもありますが、礼金は無しとなるなど、礼金制度は廃れゆく傾向にあります。
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監修:棚田 健大郎