ラーメン構造 [らーめんこうぞう]

ラーメン構造とは、梁と柱の接合部を「剛接合」という柱と梁が一体化する方法で接合した骨組み構造建築のことです。
「ラーメン」は、ドイツ語の「Rahmen」(日本語で額縁のこと。英語ではフレーム)からきています。
ブレース(筋交い)という補強材を使わなくてもすむため、開口部を広く取れるなどのメリットがあります。

剛接合(ごうせつごう)とは

剛接合とは接合方法の種類の1つで、柱と梁の接合部を固くつなぎ合わせた接合法のことです。
外から力が加えられても、接合部は変形したり回転したりしません。
横からの力に強いので、横揺れの地震に強いといえます。
ラーメン構造でよく使われる接合方法です。

ラーメン構造

ラーメン構造を取り入れた建物

鉄骨造・鉄筋コンクリート造など、現代の建物に多く取り入れられているのがラーメン構造です。
木材建築では剛接合が難しいため、ラーメン構造は無理だといわれていた時代もありましたが、近年では技術の進歩により不可能ではなくなりました。

しかし、やはり主にマンションや公共の建物など、コンクリートを使用した建物に採用されるケースが多い構造です。

ラーメン構造のメリット

1.広い空間を確保できる

ほかの建築構造には、柱と梁に×印の形でブレース(筋交い)という補強材が入ります。このブレースが邪魔して空間を広く取れない場合があります。

しかし、ラーメン構造なら、柱と梁がフレームになっているため、その間の空間に邪魔するものが何もありません。
例えばリビングと和室との間の壁を取り除くような間取りを大きく変えるリノベーションも可能になるのです。

ラーメン構造による、空間を広く取れるメリットを活かした建築物の代表例は、世界遺産である国立西洋美術館です。
館内の贅沢な空間の使い方は、ラーメン構造のメリットを活かした良い例となっています。

国立西洋美術館

2.開口部の広さ

ラーメン構造では比較的自由に開口部を設定し、壁面をガラス張りにするなどの意匠も凝らせます。

3.構造の簡単さ

ほかの建築構造に比べて、簡単な構造設計であり、施工も工程が少なく簡単です。

ラーメン構造のデメリット

柱や梁が大きくなりやすいのがラーメン構造のデメリットです。
強度を考えると、必然的に柱と梁は太くなり、部屋が狭く感じるケースもあります。

しかし最近では、これを克服して外壁に柱と梁を突き出して、部屋を広く感じさせる工法(アウトフレーム工法)も出てきています。

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監修:棚田 健大郎