床下収納 [ゆかしたしゅうのう]
床下収納とは、床板の下と基礎との空間にボックスを設置し、様々なものを収納できるようにした収納庫のことです。キッチンや洗面所の床板の一部を四角く切って蓋とし、その下に収納ボックスをはめ込み、収納スペースにする方法が一般的です。
床下の点検のための入り口を兼ねる場合もあり、また、収納スペースを畳の下に作る場合もあります。
賃貸物件における床下収納
賃貸物件については、あまり床下収納付き物件は多くありません。
特にワンルームなどの物件については設置されていないケースが多いため、なくても特段賃貸募集において不利になることはないでしょう。
一方で、2LDK以上のファミリータイプの物件については、キッチンに床下収納があると内見の際に喜ばれることがあります。
ワンルームに比べ、ファミリータイプの物件を借りる顧客層については、料理をする機会が多く、食材をしまっておける床下収納があることはプラスになるのです。
床下収納は、構造上の問題がなければ後からつけることも可能ですので、空室対策の1つとして検討してみてもよいでしょう。
深型と浅型のボックス
メーカーによっては、収納ボックスに深型と浅型を用意しているところもあります。
今はキッチンや洗面所のほかに、寝室や子ども部屋などにも床下収納のニーズがあるのですが、2階に床下収納を設置する場合には床下のスペースが限られているため、浅型の収納ボックスが最適です。
断熱タイプの床下収納
床下から冷気が入りやすいため、断熱タイプの床下収納も出てきています。
中蓋に断熱効果があるほか、切り口に補助断熱材を詰めるので、冷気が入りづらくなる仕組みとなっています。
床下収納の使用上の注意
湿気
床下は湿気がこもりやすいところです。
カビやすいので、除湿剤を定期的に入れ替え、普段から空気を通すことが必要です。封を開けた食品などは腐りやすいので床下収納には入れないほうがよいと言えます。
重量
中に入れたものを取り出すときのことを考えるなら、重いものは入れないほうが賢明です。かがんで重いものを取り出そうとすると、腰など体を痛める恐れがあるからです。
きしみ
床下収納を設置すると、床板に切り込みを入れるため、フラットな床ではなくなり、歩くたびにきしむ場合があります。
注文住宅で床下収納の設置を考えているなら、なるべくきしまない場所に組み込むのが良いと言えます。
床下収納の活用法
保存のきく食品
じゃがいも・玉ねぎ・にんじんなどの根菜類や、ツナ缶・サバ缶・酒缶・ビール瓶・一升瓶などの缶詰・瓶詰、調味料などの保存のきく食品は床下収納での保存も可能です。
また、すでに述べたように重いものは入れないほうがよいので、梅酒などを置きたい場合には大瓶ではなく、比較的小さめの瓶に、幾つかに分けて保存することをおすすめします。
使用頻度の低い調理器具
タコ焼き器やホットプレート・卓上コンロなど、普段使いではないけれども時々使う、という調理器具も、床下収納に入れるのに適しています。
日用雑貨
トイレットペーパー・キッチンペーパー・ティッシュペーパーなど、軽くてかさばるものは床下収納に入れられます。シャンプー・コンディショナー・洗剤の詰め替えパックやストックも収納可能です。
監修:棚田 健大郎