建築基準法 [けんちくきじゅんほう]

建築基準法とは、国民の命と健康と財産を守るために定められた、建築物の敷地、用途、構造や設備に関する最低の基準のことをいいます。
1950年に制定され、数回にわたって改正されてきました。

建築基準法は種類的には「単体規定」「集団規定」とに分けられます。

「単体規定」とは、一つ一つの建築物の構造や設備など、建物の性能の基準を定めた規定のことです。

「集団規定」は都市計画区域内と準都市計画区域内において、周りの環境との調和や都市の機能を良い水準に保つことを目的として定められた規定です。

建物を新築・増改築するには、建築基準法に従い、許可を得なければなりません。

単体規定について

単体規定は日本全国のどの建築物にも適用され、建物の安全性と快適性を守るための法令となっています。

まず、大きな建物については、安全性の確かさが求められます。

例えば、木造建築物で、高さが13mを超えるもの、あるいは軒の高さが9mを超えるもの、または延べ面積が3,000㎡を超えるものは、建物の主な部分を耐火構造にしなければなりません。

また、衛生面の規定として、住宅や学校や病院などで地下室を設ける場合は、壁や床に防湿の措置を講じ、衛生上の基準をクリアすることが必要です。

さらに、居室には光を入れ且つ換気をするために窓か他の開口部を設けなければいけないという規定もあります。

他にも、敷地内には雨水や汚水のための下水設備を要するという決まりや、高さ20m超える建物には避雷装置の設置を義務付ける、などの規定があります。

集団規定について

集団規定は、日本全国で適用される単体規定と違い、都市計画区域内や準都市計画区域内で適用される、建物に関する規定です。

集団規定では、用途規制、道路規制、建ぺい率、容積率、高さの制限に関する規制、その他の規制があり、どのエリアにどんな建物なら建ててよいのかについて規定しています。

例えば、保育所などの「社会福祉施設」、診療所や公衆浴場などの「医療衛生施設」、神社・仏閣などの「宗教施設」、交番などの「近隣公共施設」については、すべての用途地域で建築が可能です。

工業専用地域以外に建ててよいものとしては、住宅、アパート・マンション、店舗兼住宅、図書館、博物館、老人ホームや障がい者福祉ホームなどがあります。

また、建ぺい率についても決まっています。

建ぺい率とは簡単にいうと、敷地面積に対する建物の面積の割合のことです。

すべての建物で敷地内に目いっぱい建物を建ててしまったら、日当たりや通気によくないため、用途地域ごとに建ぺい率が定められているのです。

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監修:棚田 健大郎