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「融資貸し渋り」の実態とは?現役営業マンに取材

「融資貸し渋り」の実態とは?現役営業マンに取材

不動産投資ブームに揺れた金融機関

ここ数年の超低金利と不動産投資ブームの過熱によって、多くの人が不動産投資に参入しています。

これまでは、収益性が低い物件であっても融資が受けられていたため、「買えたので買った」、「よくわからないまま初めて不動産投資をした」という人が大幅に増えていきました。

しかし、こうしたオーナーたちが持つ物件の多くが、近く不良債権化するのでは?という懸念から、昨年末あたりを潮目に各金融機関がアパートローン融資を引き締めています。

スマートデイズの女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」問題で大きく揺れたスルガ銀行は、投資家の間では「ほかの金融機関では断られても、ここなら金利は高いが融資が通る」という積極融資で有名でした。

スルガ銀行に金融庁の検査も入った今、さらなる融資引き締めムードの高まりが気になるところです。

金融機関の融資貸し渋りによって、「融資がなかなかおりない」「買えない」という投資家はこれからどうしていけばよいのでしょうか。

土地・戸建・1棟・区分の仲介を含め1000件以上の引渡し経験を持ち、東京都内で多数の顧客を抱える現役の不動産営業マンに「融資貸し渋り」の実態と、失敗しない物件選びのコツを聞きました。

今年に入ってさらに厳しくなったアパートローンと投資家の動き

─まずは、現在の融資状況について教えてください。

「昨年末から銀行融資が厳しくなったのですが、今年に入ってさらに融資金額が大幅に引き下げられています。今までの属性(年収・金融資産・勤務先など)をこれまでよりも高くして、また自己資金も物件価格の10~20%は投下しないと融資しません、というスタンスの金融機関が多いですね」

─それでも不動産投資をしたいという人は多い?

「それでも多いです。
傾向としては、以前より利回りが下がっているし、大きなキャッシュは望めないから手出し(自己資金投下)はせずフルローンで借りたいとおっしゃる方が多いですね。

長期のローンを組むためには、年齢のリミットもあります。買いたい物件を見送って機会損失するくらいなら、金利がそこまで低くなくても今買っておいて、先々の借り換えを念頭に資産形成をしたいという方は増えていますよ」

融資貸し渋りの実態

融資貸し渋りcase1/スルガ銀行で借りているから、次が買えない

─スルガ銀行は融資スピードが早いため、金利が高くても利用する投資家もいると聞きます。

本来ならば何棟か買い進められる属性の人なのに、すでにスルガ銀行で借りていたために買えない、というのはよくある話です。

ほかの金融機関とくらべると、下手するとスルガ銀行のほうが3%以上高い金利になる場合もあります。そうすると、ほかの金融機関は前向きに融資をしたがらないです。
当然ですよね、高い金利で借りている=キャッシュが出にくいということですから、その人にお金を貸すとリスクが高いとみなされます
こうして使う金融機関の順番を間違うと、本来なら大きな資産形成ができたのに、そこまでたどり着けないという事態が起こります」

融資貸し渋りcase2/ある地方の所有物件が資産としてまったく評価されない

「別の金融機関では、ある特定の地方に物件を所有していると保有資産として認めてくれないということがありました。

たとえキャッシュが出てプラス収支でまわっていても、資産としてまったく評価してくれないのです。
つまり、借入があるとしかみてくれず、物件を持っているだけでマイナス評価です。これでは、その金融機関からの融資は受けられませんでした」

融資貸し渋りcase3/属性枠が引き上げられて融資がおりない

「最初にお話ししましたが、アパートローンの審査に求められる属性のハードルが全体的に高くなっています。
昨年の融資引き締め以前なら買えたのに、今は買えないなどのケースですね。
不動産投資家全体のなかで、買いたい気持ちはあるけれど、なかなか進まないという方たちは大きなボリュームを占めています」

─現在「買えない」という人はどうすればいいのでしょうか?

「融資の審査を少しでも有利にするために、金融資産の積み上げが必要です。借り換えをしたり、ポートフォリオの見直しをしたりしてはいかがでしょうか。
それに、あっちの金融機関はダメでもこっちはOKということもありますので、広く情報収集をすることも大事です」

「かぼちゃの馬車」オーナーの二の舞にならないためには

─女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」では、サブリース契約で賃料の保証をしていたものの、一方的な賃料の減額によって破綻してしまいました。
こうした事態にならないために、気をつけるべきポイントは?

「勘違いされる方もいらっしゃいますが、サブリースが必ずしも悪いわけではありません。賃貸需要があるかどうかがキモなのです。

・買う時(賃貸需要は?立地は?借入金利は?期間は?…など)

・運営する時(稼働率は?入居期間は?運営費は?賃料保証は?…など)

・売るor保有する時(賃料はどの程度下落しているか?大規模修繕を含めた修繕費は今後どの程度膨らみそうか?売却時の融資はつくのか?…など)

この3つすべてにおいて、いくつかの選択肢があるかどうかを見て決めるべきです。

『かぼちゃの馬車』を例に出すならば、シェアハウスという限定された形態で賃貸需要はしっかりとあるかどうか。また、シェアハウスとしてしか貸し出せないリスクをどう見るか」

「一番ネックになるのは売るor保有する時の『出口戦略』だと思います。『かぼちゃの馬車』では、出口が見えにくい。次に買いたい人がいるか、いたとして銀行が融資をつけてくれるかどうかを考えた時、かなり苦戦しそうだと予想します。もし私が仲介に入っていたら、出口が見えにくいのでおススメしませんね」

融資の貸し渋りは今、落ち着いている

─土地の相場が下落するという噂もありますが、今後の動きは?

「確かに今、アパートローンは貸し渋りがありますが、一方で住宅ローンなどは引き締められていません。金融機関のローン全体のうち、アパートローンが占める割合は少ないので相場が大きく下落することはないと見ています。
また、昨年末から上がり続けていたアパートローン融資のハードルも、今は動かず落ち着いていますね」

─ありがとうございました。

ここのところ不穏なニュースが続いていた不動産投資業界ですが、いまだ投資家の数は減りそうにありません。
これから不動産投資を検討される方は、リスクも考えて投資戦略をたて、有利な融資条件の金融機関を見つけていくことが成功への近道となりそうです。

関連記事:スルガ銀行、シェアハウスに2035億円融資の実態

インベストオンライン編集部

インベストオンライン 編集部

最新の不動産投資情報やノウハウをリアルタイムにお届けする、株式会社インベストオンラインの広報担当。投資初心者向けコンテンツから上級向けの物件最新情報まで、広く発信していきます。

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