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金融ADRとは?スルガ銀行が融資問題で活用を検討

2018/06/28
金融ADRとは?スルガ銀行が融資問題で活用を検討

スルガ銀行は一連のシェアハウスの融資問題で、不動産会社と連携してシェアハウス運営の支援や、返済能力に応じた返済条件の見直しなどをすすめていますが、シェアハウスオーナーは代物弁済をもとめており、双方の和解には時間がかかる見通しです。

スルガ銀行は金融ADR機関での紛争解決も検討しているとのことで、6月28日に実施される株主総会で株主にどのような解決策を提示するのか、注目があつまります。

金融トラブル時の紛争解決機関、金融ADRとは

金融ADR(Alternative Dispute Resolution)とは、平成22年10月1日にスタートした国の制度です。預貯金や保険、株式や投資信託などの金融商品やサービスの契約や利用で、説明の不足などにより生じた金融機関と利用者のトラブルを解決するための紛争解決機関です。

金融ADR機関に対しては、行政庁が指定・監督をおこない、金融ADR機関の中立性・公正性の確保を図っており、金融分野に見識のある弁護士などの専門家(紛争解決委員)が、中立・公正な立場で双方から話を聞き、和解案を提示します。

平成29年上期の紛争解決手続受付件数は576件(前期比9%減)。

金融ADRの利用方法と期間、費用について

金融ADRの利用方法は、まずトラブルとなっている金融機関が契約している金融ADR機関に申し立てを行います。利用者からの申し立てを受けて、金融ADR機関は、中立・公正な立場で和解案を提示します。金融機関は、金融ADR機関によって提示された和解案を、原則受け入れなければならないことになっています。

ただし、金融ADR機関はあくまでも中立・公正な立場で和解案を作成しますので、利用者にとって自分の思いどおりの和解案になるとは限りません。またすべてが和解となるわけではありません。

▼平成29年上半期の紛争解決手続における結果、終結に要した期間
金融ADRの平成29年上半期の件数

指定紛争解決機関の紛争解決等業務実施状況(平成29年度上半期)より抜粋

上図は平成29年上期の紛争解決手続を受付けた件数の結果内訳ですが、和解成立は(和解+特別調停)の251件で全体の42%となっています。

終結までに要した期間は3か月未満が25%、3か月以上~6か月未満が48%となっており、7割以上が半年以内に終結しており、裁判より短時間での処理期間となっています。

また、紛争解決にかかる費用については各金融ADR機関によって利用料が定められていますが、一部を除き無料で利用ができ、低いコストで利用できる制度となっています。

詳細は指定の金融ADR機関にお問い合わせください。

過去の金融ADR利用事例とスルガ銀行の融資問題

過去の金融ADR利用の和解事例としては、執拗な勧誘で高額な金融商品を購入した高齢者の親族が、投資家のレベルに合わせた十分な説明をしていないことを申し出て、金融ADR機関により設置された専門家による紛争解決委員が、取引に問題があったと相手方の銀行に過失を認めるよう説得し、通常はできない中途解約および解約精算金の一部負担を求めた例があります。

スルガ銀行の融資問題では、通帳等の偽造・改ざん、顧客名義の口座に見せ金として事前に入金するといった、不適切な手口で融資を引き出していたとされており、銀行側に過失を認めるような説得が行われる可能性があります。

ただし、シェアハウスオーナーが求めている融資対象の不動産を譲渡する代わりに借り入れを減免する措置について、スルガ銀行は否定的な姿勢を示しており、和解が成立するかどうかは金融ADR機関の紛争解決委員に委ねられます

スルガ銀行の不正融資問題はすでに第三者委員会が調査していますが、シェアハウスオーナー側に過失はなかったのか。
今後、金融ADR機関が紛争解決に着手した際には中立・公正な立場での和解案に注目が集まります。

6月28日のスルガ銀行の定時株主総会ではどのような報告があるのか、引き続きレポートいたします。

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最新の不動産投資情報やノウハウをリアルタイムにお届けする、株式会社インベストオンラインの広報担当。投資初心者向けコンテンツから上級向けの物件最新情報まで、広く発信していきます。

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