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不動産の消費税還付をする方法【2018年版】

不動産の消費税還付をする方法【2018年版】

前回の記事では、消費税還付を受けた場合のメリットをご紹介しました。

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このコラムでは、不動産の消費税還付を受けるためには具体的にどうすればいいのかを解説いたします。

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消費税還付を受けるための前提条件

消費税還付を受けるためには、下記の手続きが必要になります。
1.原則として、新規に設立した会社を活用すること。
既存会社で、すでに賃貸アパートを所有している場合には、アパート家賃が建物の引渡事業年度において一緒に計上され、結果として還付金額が減少するのを防止するためです。
2.その会社で、消費税の課税事業者の届出を提出すること。
新規会社は、設立初年度は消費税の納税義務がありません。しかし、消費税還付を受けるためには、そもそも消費税の納税義務者でないといけません。
したがって、消費税の課税事業者の届出を提出することにより納税義務者になります。

消費税還付を受けるための対策

上記の前提条件を整えた上で、下記の取引等を行います。
1.建物の引渡事業年度に課税売上を計上する。
通常、金(きん)の売買により課税売上を計上します。
2.建物の引渡時の属する事業年度分の家賃を(原則として)受け取らない。
非課税売上を計上しないためです。
3.建物の引渡月の月末(原則として)で事業年度を終了させる。
4.消費税の申告にあたり、原則課税方式で、一括比例方式・税抜経理を採用する。

具体的な計算例

建物の建築費9,000万円、これにかかる消費税720万円 合計9,720万円で建築した場合、
3月10日:金を1万円(別途消費税800円)を購入し3月11日に同額にて売却。
3月25日:建物完成
3月の25日から31日:当期間の家賃をフリーレントとする。
3月31日:事業年度終了。

上記の例ではこの事業年度の消費税の計算は次のとおりとなります。
預り消費税800円-支払消費税720万円=還付される消費税7,199,200円

ここで気をつけないといけないのが、いったん還付を受けた消費税ですが、その後約3年間の非課税売上高と課税売上高(全売上高)の合計で、課税売上高の割合が50%を超えない場合は、3年後に国に再び還付金のうち一定額を納付しなければなりません。
通常、住居用の家賃は非課税売上であり、何もしないとこの規定に該当し返金することとなります。
これを回避するために、引渡事業年度以後の事業年度(上記の期間内)において課税売上高を3年間分の家賃の金額を超える金額で計上する必要があります。具体的には、金(きん)を売買することによって課税売上高を計上しています。

消費税還付は合法的な節税方法

建物の消費税の還付についての概略をお話しましたが、実際には個別のケースによって対策が異なってきます。また上記以外にも細かい注意すべき点があります。
したがって、実際に消費税の還付を考えている方は、消費税の還付に精通した税理士に依頼した方がいいと思います。

また税理士によっては、この対策は租税回避行為に該当すると考え、知っていてもあえて行わない税理士もいます。
私自身は、この対策はかなり租税回避行為に近いとは考えますが、脱税行為には該当しないと考えています。
実際に当事務所では投資家様からの依頼により建物の消費税の還付申告を毎月何件か行っています。そして、この申告書を確認している税務署の担当者も消費税の還付目的の申告であると認識していると思われますが、一度も租税回避行為や脱税行為であるという指摘を受けることはなく、100%還付されています。
したがって、私自身は税理士としてこの対策は合法的な節税対策と考えます。税務の専門家として合法的に節税できるのであれば不動産投資家の皆様に対してアドバイスをしたいと考えます。

消費税還付は建物の引渡までの対策が重要

当事務所で、不動産投資家様から収益物件のご購入にあたり、建物の消費税還付をしたいとのご相談がありました。
その投資家様はその際はご相談で終わり、当事務所では結局消費税還付申告のご依頼をお受けすることはありませんでした。

その後、その投資家様から再びご連絡を受け「建物の消費税還付の申告をしたのだが、税務署より還付はできないとの連絡があった」とご相談をお受けしました。
消費税の申告状況・内容についてお話を伺ったところ、還付のスキームにミスがありました。
残念ですが、税務署の担当者が言っていることが正しく、消費税は還付できない旨をご説明しました。ご自身で申告をされたのか、別の税理士に依頼して申告したのかについては定かではありませんが、結果として、その方は建物の消費税額約500万円を還付することはできませんでした。消費税還付は、建物の引渡までの対策が重要です。

建物の消費税は、消費税還付のノウハウを持って適切に対策を行えば必ず還付されます。前述のとおり、私自身、不動産投資において建物の消費税還付を行っており、このメリットを実感しております。
このコラムを通じ初めて消費税還付を知った不動産投資家様は、今後物件を購入する場合にはぜひ活用してみてください。

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沖田 豊明
沖田 豊明

沖田 豊明

不動産鑑定士・税理士

沖田 豊明

不動産鑑定士・税理士

平成11年に沖田不動産鑑定士・税理士事務所を開設。不動産鑑定士・税理士として、不動産オーナー様の相続・不動産賃貸業に関する税務を専門としている。 また、自らも不動産投資を行っており、実体験に基づいた税務アドバイスに定評がある。

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